鹿児島県・種子島に朝日が昇る中、海上自衛隊の輸送艦「くにさき」の船尾から水陸両用車の一群が次々と姿を現した。隊員を上陸させるために海岸へと向かう緑と茶の迷彩の両用車は波しぶきを上げ、それぞれの配置を分かりにくくするため煙幕を張った。 有刺鉄線や鉄製の柱などが設けられた浜辺に着くと、車両の後部扉から隊員らが飛び出し、陣形を整えた。ホーバークラフト2隻がその後に続く。実戦ではさらなる部隊や装備品を運ぶが、この日の訓練ではほとんど空っぽだった。仮想の占拠者からの海岸線奪還を巡る一連の動きを同僚の隊員らが高台から評価していた。