奈良県内の名阪国道に「Ω(オメガ)カーブ」と呼ばれる区間がある。上空から見た形がギリシャ文字の「Ω」を思わせ、実際に走ると急な坂やカーブが連続し、事故も多発。なぜこんな道路になったのか。その背景を探った。 奈良県天理市と奈良市を走る福住インターチェンジ(IC)―天理東ICの山中を走る約10キロの区間。ここがΩカーブだ。近畿と東海をつなぐ大動脈のため、大型トラックや乗用車が行き交い、片側2車線の道路は曲がりくねったカーブが連続。記者が事故が多発する下り車線を走行してみると、遠心力で体が左右に大きく振られた。 「この先下り坂 急カーブ注意」。こんな看板を見るたび、「ずっと急カーブなんだけど……」と言いたくなるほど。この区間の高低差は約400メートルで、自動車専用道路の限界とされる6%の急勾配の下り坂がある。途中のサービスエリアで、ベテランのトラック運転手の男性(47)に話を聞くと、「同僚が事故