私がフェミニスト・アートに初めて出会ったのは3年前ほどだろうか。アートといえば絵画や彫刻・映像しか思い浮かばなかった私だが、フェミニズムの活動をするなかで、対話やパフォーマンスを通して社会の差別構造に鋭く光を当てるフェミニスト・アートの存在を知って以来、密かに興味を持ち続けている。 と同時に、日本の美大でもセクハラが横行していたり、ジェンダーや人権についての基礎的な授業も行われないという話や、女性であるというだけで作品が正当に評価されないという話を友人から聞くたびに、アート界における性差別の状況についても、もっと知りたいと思うようになった。 そして今、私はPaletteで働きながら性の多様性やフェミニズムについて情報の発信をしている。形は違うけれど、何かを作って発信するということを仕事にして、私のなかでフェミニスト・アートに対する興味はさらに高まってきていた。 そんなある日編集長のもとにジ