インドネシアの首都ジャカルタ郊外で行われた反LGBTデモ(2018年11月9日撮影)。(c)Sandika Fadilah Rusdani / AFP 【11月20日 AFP】人口2億6000万人の世界最大のイスラム教国インドネシアで今、「モラルパニック(モラルや社会秩序を逸脱していると見なした特定の集団に多数の人々が激烈な反応を示すこと)」の嵐が吹き荒れている。来年行われる総選挙を前に、イスラム強硬派によって政治的につるし上げられているのは、普段から標的にされやすい性的少数者(LGBT)だ。逮捕者も相次ぎ、LGBTコミュニティーには不安が広がっている。 インドネシアでは、LGBTは常に不道徳だとそしられてきた。だが、ここ最近の政治的弾圧の背景には、宗教的な保守化が進行していることが挙げられる。中には、性的少数者を拘束して「更生させる」権利を要求する政治家まで現れるなど、強力なイスラム強硬