コミュニケーションは「約束の積み重ね式」塚田 私は小さい頃から漫画が大好きで、2021〜2022年に開催した展覧会「END展」でも死を考える…
百合と男・リターンズ。 koorusuna.hatenablog.jp ありがたいことに記事をupしてから3年経っても未だにアクセスが多い百合と男の記事。 今でも概ねの主張に変わりありません。 私はそんなに数読むほうではありませんが、そんな私の観測範囲内でもこの3年で溜まってきました。 百合と男の闘争記録が。 ……なんっでそんなにも、こんなにも、百合は男と戦い続けるんだ。 答えは前記事でもう書きました。 女が女とつがうことはそれ自体が社会への、そして男への反逆だからです。男に依存せざるをえなかった女たちからの。それが百合の宿命。 前回は百合ジャンルの転換点になるような作品を中心に時代の流れをざっくり見ましたが、今回はわりと単なる羅列なのでお断りを。まあ前回も羅列か。 さて私は根に持つので記事がプチバズったときちらほら謗られた「作者はそこまで考えてねえのに自分の主張のためだけに作品を利用する
2020.06.28 12:00 ドラマ、映画、漫画……トランスジェンダーの語りの政治/映画『トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』 これまで欧米で作られてきた映画、ドラマシリーズなどで描かれてきた、トランス表象の「開示」にともなう暴力や排除の発露といった危険を、Netflixドキュメンタリー映画『トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』は暴いていく。それはまさに、現在「Black Trans Lives Matter」として、アメリカの黒人トランスジェンダーの、特にトランス女性たちが、身体の状態の「開示」を巡って時に死に至るほどの暴力に晒されやすい、そうした現実に対して叫ばれる、命・尊厳の回復と呼応するだろう。 トランスをめぐるさまざまな問題について、何者であるか「開示」せずに、Twitterやブログで鋭い分析やトランス女性個人としての地に足のついた声を披露する
漫画や映画、アニメなどの物語を幅広く鑑賞。 物語感想サイト『物語る亀』(http://blog.monogatarukame.net)を運営中。 サイトでは映画を中心に記事を書いています。 近年、世界中で恋愛に関する常識が変わってきています。 昔から恋愛を扱った作品はとても人気ですが、最近はLGBT(同性愛やトランスジェンダーなどのセクシュアル・マイノリティ)に配慮するような作品が多く増えています。 例えばディズニーが制作した映画『美女と野獣』は古典的な男女の恋愛の物語ですが、作中で同性愛と受け取れる描写を入れたことで、大きな話題になりました。 今回は志村貴子さんが描く『放浪息子』で、作者がLGBTをどのように描いているのかを考えていきたいと思います。 『放浪息子』の紹介 本作は『コミックビーム』にて2002年12月号から2013年8月号まで連載された、志村貴子さんによる作品です。 201
もう年末らしいので、2018年を振り返るコラムでも書くことにする。この1年のLGBTコミュニティはとにかく「紙」に翻弄された年と言って良いのではないかと思う。年明け、まず「広辞苑」がLGBTを新語として加えたことを大々的に宣伝したものの、フタを開けてみたら解説が間違っていたということですべった。7月には、「新潮45」(新潮社)が杉田水脈氏の寄稿で大炎上、炎上商法に味をしめたのか10月号で杉田擁護特集を出し、結果的には事実上の廃刊へ。 広辞苑にLGBTが登場。しかし、内容がおかしい。 10年ぶりに改訂された「広辞苑」の第7版が1月12日に発売された。この新しい「広辞苑」は、第6版の刊行後に定着した言葉として、約1万項目を新たに追加し… インターネットの登場以来、学校のリポートの参考文献にウィキペディアを使うような学生はおおむね叱責され「きちんと紙媒体の文献を当たりなさい」なんて指導されてき
かわいくてエンパワメントになるラブストーリー 偶然出会ったふたりの王女、アミラとセイディが助け合い、冒険し、最後に結婚するというあらすじのグラフィックノベル。児童向け作品であるため語り口こそ平易ですが、スーパーキュートでかつクィア、フェミニズムの要素もばっちりです! 花のメタファーに注目 これは夜空に月がふたつある、つまり地球とは別の世界の物語。高い塔に閉じ込められていた王女セイディは、ある日、英雄志望の旅人アミラに助け出されます。アミラもまた他国の(元)王女で、ふたりはアミラのユニコーンにまたがって一緒に旅をすることに。さまざまな出会いと冒険を経て、ふたりは成長し、愛を深め、最終的に結婚します。王子様も何人か出てきはしますが、ご安心を。彼らは最後まで脇役です。 女性同士の恋愛描写に関してこの作品が面白いのは、アミラとセイディの間の愛が常にバラの花のメタファーで表されているところ。最初は単
ジェンダー観が新しいラブロマンス ドレスが着たい王子セバスチャンと、極秘で彼を助けるお針子フランシスのロマンスを描くコミック。王子が日によって性自認が変動するジェンダーフルイドな人であるところが新しいし、恋愛要素もクィアでよかったです。絵柄もすごくキュート。 性の流動性と変身の物語 「ドレスが着たい男の子」というと、すわ男性ボディーで「心が女」なキャラクターの話かと誤解されそうですが、違うんです。それがよくわかるのが、セバスチャンがフランシスに吐露するこの台詞(p. 44)。 「鏡に映る自分を見て、『これがぼくだ、セバスチャン王子だ! 男物の服を着て、父さんに似てる』と思う日もある。それが全然しっくりこない日もある。そういう日には、こんな気がするんだ。自分は実は……王女なんだ、って」 Some day I look at myself in the mirror and think, "T
亡くなった弟の結婚相手は、カナダ人で…男だった。 2015年・文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した『弟の夫』をNHKがドラマ化。LGBTという繊細なテーマを、普遍的な家族愛の物語として描きます。 放送に先立ち、原作者である田亀源五郎さんと、ドラマの須崎岳プロデューサーに、話せるギリギリの線まで制作秘話をうかがいました! 編集部: 今日はお忙しい中をありがとうございます。まず田亀さんにお伺いしたいのですが、心を動かすこの原作、元々どういった経緯でお描きになられたのですか? 田亀源五郎先生(以下、田亀さん): 最初は出版社の編集の方から、うちで描きませんかと声をかけていただいたのがきっかけです。ただ、一般青年誌でゲイという題材を取り扱うというのはなかなか難しくて。 それまでも編集さんレベルではOKでも、編集長からNGとなったことがありました。だから、月刊誌で連載が決まったときは、本当
先日、『バイキング』(フジテレビ系)で司会の坂上忍がこんな発言をしていた。 「LGBTの問題はいまテレビでもデリケートで全然言えない。IKKOさんが言っていいことを僕は言っちゃいけないとか。よくわからない。オープンにした方がいいんじゃないのって思っちゃうんだけど、無責任?」(IKKO「男性同士の性的暴行は興奮したら犯罪ではない」。芸能人井戸端会議番組と化している『バイキング』) 様々な話題を扱う情報番組の司会者が「よくわからない」と自身の勉強不足を開き直るかのような発言をしていることには驚きを禁じ得ないのだが、一方で「LGBT」という言葉が当たり前に使われるようになり、「LGBTの問題」について意見したいという人が出てきていることに、ここ数年の変化を改めて実感した。 wezzyでも取り上げている「保毛尾田保毛男」騒動、youtuberのホモフォビックな企画、20年前に行われたゲイ差別および
2017.10.22 12:00 「保毛尾田保毛男」的なるものはそこらへんにあって【第17回:トランス男子のフェミな日常】 先日、調剤薬局の受付で待たされていたところ、有線放送からNIRVANAの「レイプ・ミー」が流れてきたのでびっくりした。BGMにするにしては「耳に優しくない洋楽TOP3」に常時ランクインしそうな歌詞だからだ。私は昔NIRVANAのコピーバンドを組んでいたことがあるが、ボーカルが自宅で歌っていたときに「その曲だけはやめて」と向こうの親に止められていた記憶がある。 NIRVANAのボーカルだったカート・コバーンは享年27歳の若さにして銃をくわえて天国に行ってしまった「27クラブ」(ロック界にはやたらこの年齢で死亡するアーティストが多い)のひとりである。高校生だった頃、単に音楽に惹かれてカートのことを好きになった。彼が「自分はバイセクシュアルかも」と発言したり、ホモフォビアや
男性同士の恋愛を描く「BL(ビーエル)(ボーイズラブ)」の人気が止まらない。漫画や小説にとどまらず、アニメやゲーム、実写映画まで登場した。作り手も読者も、ほとんどが女性。なぜ、これほど女性たちを引き付けるのだろうか。 ●読んでハッピーに 長身男性の力強い手が、もう一人の線の細い男性の肩を抱き寄せ、優しく唇を重ねる--。漫画制作用の液晶タブレット画面に、少女漫画のような軽やかなタッチでキスシーンが描かれていく。ペンを握るのは、ロングヘアに流行の肩出しトップスを着た若い女性。BL漫画家の海行(うみゆき)リリさんだ。早稲田大を卒業後、会社勤めを経て6年前にプロ作家の道へ。現在、芳文社のBL漫画雑誌「花音」で連載している。 幼い頃から物語を読んだり書いたりすることが好きだった海行さんが、BLに出合ったのは中学生のころ。いつものように書店に立ち寄った時、たまたま手にしたのがBL小説だった。新鮮な感覚
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