【ベルリン=石崎伸生】国際原子力機関(IAEA)は22日、天野之弥(あまの・ゆきや)事務局長が18日に死去したと発表した。72歳だった。天野氏は2009年に日本人で初めてIAEAトップの事務局長に就任し、現在は3期目を務め、任期は21年11月までだった。 IAEAによると、22日に家族による葬儀が行われたという。天野氏は昨秋に手術を受け、健康不安から任期途中で辞任する意向だった。天野氏は理事会に辞意を伝えるため準備していた書簡に、「この10年間で、『平和と開発のための原子力』という目標のため、IAEAは明確な結果を残してきた」などと記していた。 天野氏は1972年に外務省入省後、在ウィーン国際機関日本政府代表部大使などを経て、IAEA事務局長に就任した。イランや北朝鮮による核開発などが問題となるなか、核不拡散に取り組んできた。