福島第一原発の処理済汚染水に含まれるトリチウムに関して、生体濃縮やら何やらといった用語を持ち出し、その危険性を強調し、処理水の海洋放出に反対する人々がいる。その中には科学者に分類される人や、原子核物理学を学んだと称する人々もいるのだが、皆さん、冷戦時代に核兵器の実験で地球に大量のトリチウムがばら撒かれた事、残存総量の5.4%強が毎年崩壊して無くなることを見落としている。 予定年間放出量の処理水に含まれるトリチウムの量は2.2×10¹²Bqとされる*1が、地球全体では微々たる量だ。毎年、宇宙線で7×10¹⁶Bq(処理水1年分を1とすると、31,818)ほど増えるし、全世界の原発から2×10¹⁶(〃 9,091)ほど放出されている。過去の核実験では2.1×10²⁰Bqほど放出された( 〃 9,545万)*2。 毎年放出しても、環境に蓄積されることはない。トリチウムは一定時間に一定の割合でβ崩壊