さまざまな事情を抱えた人たちが利用するラブホテル。一般的には、ドキドキ、ワクワクしながら、ときにはヒソヒソと向かう場所だ。一方で、その周辺に住んでいる人たちもいる。そこには利用者には見えない、ラブホ街の住人だからこそ知る情景があった。 今回は、実家がラブホ街にあり、学生時代にラブホで清掃員としてアルバイト経験もある前田裕子さん(仮名・20代)に、住人ならではのエピソードを聞いた。 ラブホ街では、「あのラブホ、潰れるんだって」というフレーズをよく耳にしたそうだ。 「一般的には馴染みのないワードだとは思いますが、『あのパン屋さん、なくなるんだって』と同じような感覚で、ラブホ街の住人にとっては日常会話なんです」 一口にラブホと言っても、さまざまなタイプが存在する。前田さんの実家は、かなり有名な温泉地にあり、ベランダ露天風呂や内湯付きの部屋をウリにしているラブホも多いのだとか。 「それでも潰れるん