和歌というと何を思い浮かべられるでしょうか? 「小倉百人一首」を思い浮かべられるかもしれません。冷泉家の祖先は、その選者の藤原定家です。鎌倉時代にはじまり、夫である現在の当主為人は25代目になり、約800年の歴史を受け継いでいます。 京都に都が置かれた幕末まで、朝廷に仕える公家には、それぞれの家ごとに役目がありました。冷泉家は、和歌の家として、歴代が美しい「大和ことば」を使って誰もが見たことがあるような季節の美を歌に詠み、現代に受け継いできました。 昔ながらの蔵には、定家筆の「古今和歌集」や日記「明月記」、定家の父、俊成の「古来風躰抄」などの国宝をはじめ、多くの私家集など、日本文化を語る上で貴重な古典籍や古文書、宮中で行われていた歌会始や星に技芸上達を願う七夕の乞巧奠(きっこうてん)などの年中行事に必要な道具類を納めています。いずれも、日本文化の原点ともいえる、公家文化の結晶です。私たちは