東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章(かじた たかあき)教授が、2015年のノーベル物理学賞を受賞した。ニュートリノが質量を持つ決定的な証拠を示したことが評価されたものだ。 【2015年10月7日 ノーベル財団(1)/(2)】 梶田さんは、東京大学物理学専攻博士課程終了後、小柴昌俊さん、戸塚洋二さんの下、東京大学理学部の助手としてニュートリノ研究を始めた。そして、1986年にニュートリノ振動と呼ばれる現象の兆候を確認し、その後スーパーカミオカンデ(岐阜県神岡)における観測によって、ニュートリノが質量を持つことを明らかにした。 (左)梶田隆章さん、(右)Arthur B. McDonaldさん(出典:ノーベル財団のリリースより、梶田隆章さん/K. MacFarlane. Queen's University /SNOLAB) それまで、素粒子物理学の標準模型では、3種類あるニュートリノはどれも