2023年4月に経済同友会の代表幹事に就任してから半年間がたちました。まず代表幹事を引き受けた背景から教えてください。 新浪剛史氏(以下、新浪氏):日本経済はご存じの通り大変厳しい状況にあります。スイスの国際経営開発研究所(IMD)が今年6月に発表した「世界競争力ランキング2023」では35位で過去最下位を記録しました。1992年は1位でしたから衰退は一目瞭然です。 やはりデフレ環境が長く続いたのがよくなかった。「今日よりも明日のほうが良いはずだ」と誰しもが思えず、モノの値段は下がり、日本経済はどんどん縮んでいきました。現状維持に固執する強い意志がそこにあったんですね。これをなんとか変えたいけれども、自分だけではなんともしがたい。じくじたる思いがありました。 経済同友会の代表幹事の打診があったとき、正直悩みました。サントリーの仕事もあるし、まだまだやりたいことはたくさんあるし、自分で自分の