さかい・まなぶ 1937年福島県生まれ。日本歯科大学卒後、北里研究所付属病院などをへて72年、実家の歯科医院を継ぐ。07年から福島県保険医協会理事長。 環太平洋連携協定(TPP)に参加すれば、農業を崩壊させ、地域経済に打撃を与えるのは、はっきりしています。同時に、危機に直面している医療の崩壊に拍車をかけることになるのではないかと、とても危惧しています。 混合診療解禁に 日本の医療は、この間、「医療構造改革」の名の下で市場原理主義を導入することが求められてきました。その一つが保険診療と自由診療を併用する混合診療の全面解禁です。 混合診療が全面解禁されると、今の保険診療報酬によらない、「自由価格の医療市場」が拡大します。公的医療保険では医療スタッフの給与や高額医療機器などの診療経費を支払えないためです。TPPへ参加した場合、混合診療の全面解禁を強く求められます。 これには、問題がたくさんありま