文=スコット・アンダーソン 写真=ステファニー・シンクレア 今も米国で一夫多妻制を掲げる教団の信者たちの素顔に迫る。 最初の参列者がやってきたのは、夕方の6時頃だった。ここは米国アリゾナ州コロラドシティーにある集会所だ。30分もしないうちに、参列者の行列は、入り口から建物の横を通って駐車場まで達した。7時頃には何千人もの人々が数百メートルにわたってずらりと並んだ。皆、古風な晴れ着姿だ。男性は大人も子供もスーツで決め、女性はくるぶしまで隠れる長いドレスを身にまとっている。 彼らは、数日前に心臓発作で亡くなったフォネタ・ジェソップの葬儀に参列するために、各地から集まってきた。彼女の息子たちは棺の足元に並び、参列者に挨拶している。夫のメリルは棺の横に立ち、その後ろにおそろいの白いドレスを着たたくさんの女性が並んでいる。彼女たちは全員、メリルの妻だ。68歳のフォネタは第一夫人だった。 ここコロラド