お話を伺ったのは、月刊誌「栄養と料理」の前編集長であり「食生活ジャーナリストの会」幹事をつとめる食のプロ、監物南美さん。 「炊きたてのごはんの醍醐味は、やわらかくて、少し粘りのある食感にありますね。でも、炊いてから時間が経つにつれ、その美味しさはどんどん損なわれていきます(=老化する)。その状態で冷凍してしまうと、解凍後も炊きたての美味しさは取り戻せないのです」 炊きたてのごはんがやわらかくて、ふっくらしているのは、生米の中のデンプンが水を吸って膨らみ、糊のような状態になるから。これをデンプンの糊化(=こか)、別の呼び方では(α化=あるふぁか)といいます。その後、ごはんは冷めるにつれどんどん水分が抜けていくため、パサパサになったり、かたくなったりしていきます。これをデンプンの老化(β化=べーたか)といいます。 ごはんは一度老化してしまうと、炊きたての美味しさを取り戻すことができません。その