「蝦夷富士」の愛称でおなじみの北海道・羊蹄山(標高1898メートル)は、美しい稜線(りょうせん)で知られるほか、麓から湧き出る天然水も有名だ。 「名水の里」として親しまれ、羊蹄山の北東にある「ふきだし公園」(京極町)では1日約8万トンもの水が湧く。これは約30万人の生活水に相当する量だという。雪解け水が何十年もかけて濾過(ろか)されており、ミネラルが豊富だ。湧水の取水口は一般客が利用でき、ペットボトルを手に水をくむ人が絶えない。公園内の「道の駅 名水の郷きょうごく」にはレストランや売店があり、特産品の「名水珈琲」などを購入できる。 羊蹄山周辺は登山やスキーを楽しめる一大観光地で、近年は中国人観光客であふれかえっている。一方で、気になることもある。 それは羊蹄山の麓の水源地や森林が中国系外国資本に次々に買収されている点だ。京極町の北隣の赤井川村では東京ドーム約60個分の森が買われ、羊蹄山東側