昨今「語学留学」という言葉が多数取り沙汰されているが、これに対して異議を唱えるのが国際ジャーナリストの落合信彦氏だ。同氏は「国際」の本質をどう捉えているのか? 落合氏が解説する。 * * * 少し前からよく「語学留学」という言葉を耳にするようになったが、「言葉を学びに行く留学」に意味があるとは思えない。言葉を理解した上で海外に行き、留学先の国でしか触れられない哲学や歴史、政治や経済を学ぶからこそ、日本を飛び出す意味がある。 留学先で英語を学ぶところから始めようとしても、行った先で遊びほうけたり、日本人留学生とつるんだりするのが関の山である。残念ながら私の時代からそういう日本人学生はたくさんいた(だから私は日本人学生のいないオルブライト大学を留学先に選んだ)。 もちろん、実際にアメリカに足を踏み入れてから学んだ言葉も少なくなかった。まず私は西海岸にフェリーで到着して、そこから大学のあるペンシ