大町市立大町山岳博物館が6月にも国特別天然記念物ニホンライチョウの卵を受け入れ、飼育を再開する見通しであることが10日、分かった。同館は2004年に飼育を中断しており、再開すれば12年ぶり。国内唯一の低地飼育の施設として約40年間活動した経験を生かし、絶滅が心配されているライチョウの人工繁殖の技術確立に挑む。 環境省と公益社団法人「日本動物園水族館協会」(日動水)が進める保護増殖事業の一環で、12日に発表する。 関係者によると、同省は6月ごろ、北アルプス乗鞍岳(長野、岐阜県境)の畳平で複数の卵を採集。大町山岳博物館のほか、東京の上野動物園、富山市ファミリーパークの3施設で卵をふ化させて、飼育する。 乗鞍岳で採集した卵は昨年も、近縁亜種スバールバルライチョウの飼育実績がある上野と富山の2施設が受け入れ、ふ化に成功した。しかし、上野のひなは全滅し、生存しているのは富山の雄3羽だけになって