「文化の価値、演奏で証明」 沼尻竜典2008年12月25日 印刷 ソーシャルブックマーク びわ湖ホールと大阪センチュリー交響楽団。経営難が全国的にクローズアップされた2団体を両脇に抱え、今年奔走したのが指揮者の沼尻竜典だ。「売れ筋の名曲を並べ、客を呼ぶのは公立ホールのやるべき仕事じゃない。楽団や歌手のレベルをあげ、一緒に育ってくれる聴衆をこそ大切にしたい」と揺るがぬ信念を語った。(吉田純子) ■「正念場、安易に流れない」 昨年から芸術監督を務めるびわ湖ホールでは、2月に神奈川県民ホールと「ばらの騎士」を、10月にはポルトガル国立サン・カルロス劇場と「サロメ」を共同制作、「交流の要」という歌劇場の方向性を示してみせた。専属で育ててきた声楽アンサンブルも、実りの時期を迎えている。 「海外の名のある演出家と一緒に作品を作った経験は、間違いなくホールの自信になる。オーケストラもオペラの感覚を養うこ