日本で東日本大震災が起きた2011年3月。そのころ、中東諸国の民主化運動「アラブの春」が飛び火したシリアでは、アサド政権の退陣を求める大規模な反政府デモ運動が起きていた。その後、シリアの政治情勢は混迷を極め、現在はアサド政権と反政府勢力、それに過激派組織IS(イスラム国)を交えた激しい内戦状態にある。 このように泥沼化したシリアから脱出した難民の数は、今年3月までに390万人を超えた。東京都の人口の3分の1にも匹敵する数字であり、その受け入れは国際的な課題となっている。日本も当事者国の1つだ。 そんななか、日本に逃れてきたシリア人の男性4人(22歳〜35歳)が3月17日、難民条約上の「難民」に該当するにもかかわらず、日本政府に認定されなかったとして、裁判をおこした。法務省入国管理局による「難民不認定処分」は無効だと主張し、「難民認定」の義務づけを求めて東京地裁に訴えたのだ。「アラブの春」以