山口県光市母子殺害事件を巡り被告の元少年(28)を実名で表記したルポルタージュ本が10月1日に発売される。著者で一橋大学職員の増田美智子さん(28)は「『元少年』という表記は記号であってイメージがわかない。一人の人間としての彼を感じてもらうために、被告の承諾を得て実名表記を決めた。『元少年』という表記は彼への人権侵害ではないか」と話している。 本はインシデンツ(東京都日野市)が出版、タイトルには元少年の実名をいれた。08年4月、現在の職に就く前のフリーライター時代に取材を始めたという。元少年とは25回の接見や手紙のやり取りを重ね、元同級生など周辺者へ取材した。増田さんは「少年法違反ではとの指摘もあるが、面会を重ねて、一般の人が想像する元少年のイメージとズレがあるのではないかと感じた」と話している。 インシデンツの代表でジャーナリストの寺沢有さんは「加害者も人間。名前は事件の全体像を知るうえ