首都圏のアパートで一人暮らしをしている七十代男性が率直に打ち明けた。生活保護の申請をすると親族に連絡が行くのが特に恥ずかしかったという。「警察に捕まった犯罪者が裸にされて検査を受けるようなものだと思った」 今も、近所づきあいは極力避け、生活保護を利用しているとは知られないように振る舞っている。ただ、病院で知られそうになることも。「役所で医療券をもらって病院の窓口に出せば治療費の自己負担はなくなるのですが、窓口の事務員が制度にうとくて自分が説明せざるを得ず、『だれかに聞かれているのじゃないか』と気が気でなかったんです」