特別支援学校・学級に通う子どもが全国で急増し、九州7県でもここ10年で1・7~2・3倍に増え、2016年には軒並み過去最多に上ったことが分かった。知的障害や発達障害の子どもの増加が目立ち、主にこうした障害の認知が広がり社会的な偏見が薄らいだことで、地域の学校ではなく支援校・学級を選ぶ家庭が増えたとみられる。各県教育委員会は支援校の増設など対応を急いでいる。 文部科学省の学校基本調査(5月1日時点)や各県教委によると、06年と16年を比較して支援校・学級に通う児童生徒数の伸びが最も大きかったのは熊本の2・27倍。次いで佐賀2・20倍、福岡が1・98倍-だった。16年の人数は最多の福岡が1万4734人、熊本6226人、鹿児島5446人-と続き、いずれも過去最高だった(佐賀はデータの残る06年以降)。 福岡は約7割が知的障害の子どもで、ここ10年で約4500人増えた。県教委は「支援校は遠方に
野外活動の行き先や班分けを話し合う「エコールKOBE」の学生たち=2015年9月、神戸市内 野外活動について話し合う「エコールKOBE」の学生たち=2015年9月、神戸市内 知的障害者が高校卒業後に大学の代わりに通い、社会に出る前の人間的な成長を目指す「学びの場」が、全国約30カ所で運営されている。これまで福祉施設へ通うか就職にほぼ限られていた進路を広げる試みで、これからも増えそうだ。 ▽自分で決める 「みんなはどう思う」 「俺から提案がある」 昨年秋、神戸市長田区の商業ビルに間借りする学園「エコールKOBE」の教室に若者たちの声が行き交った。2週間後の野外活動の行き先や班分けについての話し合いだ。 学生自身が司会を務め、意見を聞いたうえで多数決を取る。行き先のボウリング場を予約する係も決まった。 学園長の河南勝さんは「自分たちで決める主体性を大切にしている。希望と違っても気持ちに折り
知的障害者にもっと学ぶ場を-。障害者福祉事業を展開する「鞍手ゆたか福祉会」(福岡県鞍手町、長谷川正人理事長)が九州と東京に五つの「福祉型大学」を開き、青年期教育の場を提供している。先駆けとなった福岡市の「カレッジ福岡」を訪ねた。 「くまモン誕生の秘密」「徳川家康について」「自分の成長と将来」…。カレッジ福岡の特色の一つ「自主ゼミ」は、知的障害や発達障害がある学生たちが関心のあるテーマを1年かけて掘り下げ、論文にまとめて発表する。自主性やコミュニケーション力、情報収集能力を身に付けていく。 カレッジ福岡は2012年4月、福岡市東区のビルに開設された。制度上は障害者総合支援法に基づく自立訓練事業と就労移行支援事業を組み合わせた多機能型事業所だが、利用者を「学生」、支援員を「支援教員」と呼ぶ。授業料は原則無料で、給食費など月約9千円を負担する。 障害の程度で普通科と生活技能科に分かれ、自立訓練に
鉛筆が苦手ならキーボードを使えばいい――読み書きの困難な子どものICT利用 近藤武夫 特別支援教育、発達神経心理学 教育 #DO IT Japan#印刷物障害 障害があるから学べないのではなく、彼らなりの学び方が必要なだけです――鉛筆で文字が書けない、紙の教科書やテストの問題を読めない「印刷物障害」の子どもたちは、たとえ勉強にやる気があっても、知的に高い水準であったとしても、教育のメインストリームから疎外されやすい状況にありました。しかし、パソコンで仕事をしている人が多い現在、それは「障害」といえるのでしょうか。読み書きの困難な子どものICT利用について、東大先端研の近藤武夫氏に話を伺いました(聞き手・構成/山本菜々子) ――「読み書きの困難な子ども」は学習でどんな難しさを抱えているのですか? まず、読み書きの障害といって思い浮かぶのが、学習障害(Learning Disabilities
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く