東京地下鉄(東京メトロ)とプログレス・テクノロジーズは共同で、視覚障がい者向け駅構内ナビゲーションシステム「shikAI」を活用した実証実験を、8月6日から有楽町線辰巳駅構内において開始する。 「shikAI」は、駅構内の点字ブロックに表示したQRコードをスマートフォンのカメラで読み取ることで、現在地から目的地までの正確な移動ルートを導き出し、音声で目的地まで案内するシステム。各QRコードには正確な位置情報が紐づけられており、視覚障がい者が迷うことなくホームから改札を通り出口まで向かうことを支援する。 実証実験では、辰巳駅ホームから改札・出口に向かうルートと、改札からホームに向かうルートの2通りのルートにQRコードを設置。利用者にはアンケートを実施し、システムの有用性等を検討する。
高速道路料金が半額となる身体障害者向けのETC割引制度を悪用し、正規料金の支払いを免れるドライバーが相次いでいることが12日、分かった。阪神高速道路会社(大阪市)が今年4月末までの1年間で約20人の不正を確認した。兵庫県警は2月、同社の情報をもとに過去5年で130万円以上を“踏み倒した”とされる男を逮捕したが、今後も不正が続けば、身体障害者全体の利便性に悪影響を及ぼす恐れもある。(木下未希) ETC不正利用のイメージ 5年間で2400回超も 「障害者の割引制度を悪用している車がある」 昨年12月、同社からこんな相談を受けた県警は不正な車の捜査に乗り出した。運転していたのは兵庫県内で自動車整備会社を営んでいた男(65)。今年2月、電子計算機使用詐欺などの疑いで男を逮捕した。 県警によると、男の妻は身体障害者で、10年ほど前に妻名義で高速道路料金の割引制度の適用を福祉事務所に申請。割引を受ける
本庄市は6月1日から、全国初の成年後見制度に特化した電話相談「後見ほっとライン」を開設、運用を始める。制度を熟知した専門のオペレーターが成年後見の必要性の査定などきめ細かく対応することで、気軽に相談しやすいような環境を整える。市は相談実績などを踏まえ、来年度以降の本格実施を検討する。 この事業は市と綜合警備保障、一般社団法人「後見の杜(もり)」が協働で実施。綜合警備保障などは群馬県の富岡甘楽圏域(富岡市など4市町村)でも同時にスタートする。 成年後見制度は、認知症や知的障害などで判断能力が不十分な人の財産管理などを弁護士などが後見人として支援する。ただ、制度自体が分かりにくく、個人情報も絡むことから、市がこれまで実施してきた窓口での対面式の相談件数は年10件程度にとどまっていた。 後見ほっとラインは、オペレーターが成年後見制度を熟知しており、制度の説明や成年後見の必要性に加え、金銭トラブル
日本標識工業会は、4月20日、JIS安全色(JIS Z 9103)規格が改正されたことに伴い、改正内容についての説明会を行った。 改正された「JIS Z 9103規格」は、2011年に制定されたISO3864-4の対応国家規格で、安全色及び安全標識について制定したもの。13年振りとなる今回の改正では、多様な色覚を持つ人誰もが識別できる“ユニバーサルデザインカラー”が採用された。 現在、2020年東京オリピック・パラリンピックを控え、日本にも多く訪れる海外渡航者に対して、わかりやすい案内表示・安全標識の整備が進められている。中でも色(安全色)は、重要な要素であり、一目で「安全」「危険・禁止」「注意」が理解できることが求められている。 今回の改正では、色の組み合わせに対する認識性調査に基づき、「多様な色覚を持つ誰もが識別できる色(ユニバーサルデザインカラー)」が採用された。改正にあたっては、抜
災害発生時の現状把握が難しい聴覚障害者に必要な情報を円滑に発信するため、気象庁は、緊急記者会見の内容を手話で同時通訳する「手話通訳」の導入に向けた検討を始めた。 国の会見での手話通訳は現在、首相と官房長官のみ。同庁は今後、手話通訳士らの意見や要望を聞いた上で、早ければ今秋にも運用を始めたい考えだ。 同庁は、震度5弱以上の地震発生時のほか、津波注意報や大雨など特別警報の発表時、火山が噴火した際などに緊急記者会見を開いている。手話通訳の導入後は、会見者の横に手話通訳士に立ってもらい、双方をテレビの中継画面に映すことを想定している。会見が休日や深夜、未明になることもあるが、聴力障害者情報文化センターによると、手話通訳士は今年3月現在、全国で3601人が登録されており、急な派遣にも対応が可能だという。
まとまった雪が降り続く冬本番の新潟県内で、路面や歩道に残る雪が盲導犬ユーザーの頭を悩ませている。除雪により普段ない段差や障害物が現れたり、積雪で点字ブロックが消えたりして危険が一層増すためだ。日本盲導犬協会仙台訓練センター(仙台市青葉区)が12日、新潟市中央区で開いた勉強会に参加して、ユーザーの切実な悩みを聞いてきた。【堀祐馬】 勉強会には弱視や全盲のユーザーとその家族ら約10人が参加。はじめに、全盲の赤塚セツさん(72)=新潟市中央区=らが盲導犬と共に雪道歩行を体験した。赤塚さんは「道路が凍っていると滑って怖い。普段ない雪の段差があったりして大変」と話した。「冬はなるべく外には出歩かないようにしている」というユーザーもいた。
耳の不自由な子供たちが歩道に倒れて動けなくなり、駆け付けた職員らが「頑張れ」と手話を使い、必死に励まし続けた--。大阪府立生野聴覚支援学校(大阪市生野区)のすぐそばで1日、下校中の児童と教諭がショベルカーにはねられ、5人が死傷した。聴覚障害のある児童のため、通学路での安全運転を呼びかけていただけに、住民らはショックを受け、悲痛な表情を浮かべた。 ショベルカーの後方で車を運転していた40代の男性によると、砂を積んだショベルカーが突然速度を上げ歩道に向かった。男性が降りて駆け寄ると、児童らが車体の周りで倒れていた。近くの病院にいた男性(64)は「児童らを、教諭らが手話を交えて声を掛けながら心臓マッサージなどをしていた」と現場の様子を振り返った。
無電柱化は幹線道路を中心に進められてきたが、道路法を改正し、歩道も無電柱化の対象に含めることなどが柱だ。政府は2020年東京五輪・パラリンピックを契機とした国内全域の「バリアフリー都市」化を目指しており、まずは高齢者や障害者の通行の妨げになる電柱について地中化を事実上、義務づける方針だ。 法改正のほか、電気事業者の工事費用に対する補助金制度を新設する。電気事業者の負担を軽減することで、工事を加速する狙いがある。これらを盛り込んだ「無電柱化推進計画」を今春頃までに策定する。 日本には現在、約3550万本の電柱があり、年に7万本ずつ増えている。無電柱化が比較的進んでいる東京23区で8%、大阪市で6%にとどまっており、100%のロンドンとパリ、95%の台北、46%のソウルなどと比べ、率の低さが際立っている。
JR九州が県内の一部路線で、特急列車を運転士1人で運行する「ワンマン化」を進めていることに対し、県内15の障害者団体などでつくる県障害者社会参加推進協議会などが26日、同社に見直しを求める要望書を提出した。「移動などに制限のある私たちにとって、容認できない」としている。 要望書では、ワンマン化について、「車内の安全性の確保や非常時の対応を考えると、人命をも軽視したものだ」と指摘。各駅のバリアフリー化の推進も合わせて求めた。 協議会の矢野光孝会長ら4人がJR九州宮崎総合鉄道事業部(宮崎市)を訪問。宮野原佳部長に要望書を手渡した後、非公開で意見交換などを行った。矢野会長は「企業としてコスト削減は理解できるが、皆がより良く利用できる方向で考えてほしい」と話した。 JR九州は3月のダイヤ改正に合わせ、大分―宮崎空港間で一部特急のワンマン化を開始。その後、宮崎―鹿児島中央間も候補に浮上した。協議会に
高松市の商業施設で起きたエスカレーターでの車いす事故は、車いす利用者や福祉関係者の間でも大きな衝撃となった。エレベーターなどの代替設備が不十分なこともあり、現実的にはエスカレーターを利用してしまうことがあるからだという。専門家からは、利用者のマナー向上だけでなく、車いすの介助訓練を受けた職員の配置といった防止策を提言する声もあがっている。(益田暢子) エレベーターに乗らず 事故が起きたのは、高松市の家具インテリア店「ニトリゆめタウン高松店」。今月10日午前、市内の男性(81)が妻(79)が乗った車いすを支えながら上りエスカレーター(高さ約5メートル、幅約1メートル)で2階から3階に向かっていたところ、降り口付近でバランスを崩して転倒。後方に立っていた女性が巻き込まれ転落し、全身を強く打ち、まもなく死亡した。妻は肋(ろっ)骨(こつ)を折るなどの重傷、男性も左腕に軽傷を負った。 施設内のエスカ
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