入場料を値上げする美術館が増えている。文化の発信地として市場経済とは一線を画していると思いきや社会の変化を映して来館者層も変わり、経営は楽ではないようだ。高齢化、訪日客の増加など日本社会に訪れている変化の波が押し寄せているのは美術館も同じ。入場料の値上げには対応しようと工夫する美術館の姿が映し出されている。高齢者無料見直し相次ぐ「入場料無料は70歳から」。茨城県水戸市にある水戸芸術館は7月2
川崎市教育文化会館の前に集まり「レイシストは帰れ」などと声を上げ、ヘイトスピーチに抗議する市民ら=川崎市川崎区で2018年6月3日、後藤由耶撮影 ヘイトスピーチ対策法は2016年6月に施行され、差別的表現の解消にむけた理念をうたい、国や自治体にその取り組みを求める。だが、施行2年の今月、川崎市の公共施設を舞台にヘイトスピーチが発せられ、大阪府北部で震度6弱を記録した地震でもネット上で在日コリアン差別をあおる言説が拡散した。対策の現状を見た。【井田純】 「不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない」。対策法のこの理念もむなしく、法施行2年の今月3日、川崎市川崎区の市教育文化会館で、在日コリアンらへの差別的主張を続ける政治団体関係者が「時局講演会」を企画。差別反対を訴える地域住民ら約400人の「カウンター」が「レイシスト帰れ」と抗議の声を上げ、結果、講演会は開催されなか
川崎市に住む外国人の代表として市が選任する「外国人市民代表者会議」の委員らが、1年間の活動内容をまとめた平成29年度年次報告書を福田紀彦市長に提出し、災害時対応や子育て環境充実の必要性を掲げた。市に対し、多言語版の各種記入用紙の活用を求めるなど、外国人市民が増え続ける川崎市で、共生にかかわる諸課題を解決し、住みよいまちづくりを目指す取り組みが進んでいる。 (外崎晃彦) ◇ 「川崎市は外国人市民にとって住みたい、働きたいまちとして魅力的に感じられている」。年次報告では、外国人市民が市に抱く感想がこうまとめられた。 多言語版シート作成 同会議の委員長を務めたヘイ・ジャフィさん(24)は市について「私自身は住みやすいと感じている。ただ、人や環境によって、求める政策は異なる。時代に合わせた対応をしていかなければならない」と話し、同会議が意見を吸い上げ、市に提案していくことの意義を強調した。 同会議
太平洋戦争末期、高射砲で迎撃され宮崎県沖の日向灘に墜落した米軍爆撃機B29の搭乗員の慰霊祭が命日の28日、宮崎空港(宮崎市)内の航空大学校であった。墜落死した米兵の遺族と、唯一生き残った元搭乗員が来日。約150人が参列して不戦を誓った。 米兵の遺族らが戦没地の訪問を希望していると知った宮崎市遺族連合会などが受け入れて実現した。 遺族連合会などによると墜落機はB29「サルボ・サリー」。1945年4月28日、旧日本海軍の赤江飛行場(現宮崎空港)の空襲に飛来したが、防空部隊の高射砲で撃墜された。搭乗員12人のうちジャック・キャノンさん(94)だけが米軍に救助されたという。 慰霊祭にはキャノンさんと遺族ら計5人が来日。昨年5月、遺族の1人が「戦死時の状況を知りたい」とインターネットで調べたところ、各地の空襲を記録した「青森空襲を記録する会」のホームページにサルボ・サリーの記載を見つけ、メールで連絡
排他的な言動で差別感情をあおるヘイトスピーチのデモが都内で問題化してから5年になる。2年前には「ヘイトスピーチ対策法」=キーワード=が施行された。しかしヘイトデモは止まらず、ソーシャルメディア上の言動はときに先鋭化して当事者を傷つける。排外主義は止められるのか。互いのルーツを認め合って暮らせる社会は築けるのか。在日コリアンや米国など、様々なルーツを持つ在日外国人と日本人が語り合った。 金村詩恩(26) 作家。在日コリアン3世。小学生のとき家族で日本国籍を取得 木村元彦(56) フリージャーナリスト。ロヒンギャなど難民問題を取材 バイエ・マクニール 作家・コラムニスト。米国出身で日本在住14年 林原圭吾(42) 翻訳業。昨年9月に反差別啓発イベント「あなた、ここにいてくれますかフェスティバル」を主催 梁英聖(リャンヨンソン)(35) 大学院生。在日コリアン3世。「反レイシズム情報センター」代
10日に千葉県柏市の三協フロンテア柏スタジアムであったサッカーのJ1柏―セ大阪戦で、柏のサポーターがセ大阪GK金鎮鉉に対して差別的な行為を行った疑いがあることがわかった。この試合のマッチコミッショナーがJリーグに事案を報告する。 後半35分、金鎮鉉がゴールキックを蹴ろうとする際だった。柏のゴール裏のサポーターが侮辱的なポーズを取ったと、金鎮鉉が主審に訴えた。試合は3分弱、中断。騒ぎが収まらず、柏のMF大谷秀和と運営担当がサポーターに「疑わしい行為をしないでほしい」と訴える場面があった。 ポーズはアジア人を差別する際に使われるしぐさで、昨年の大リーグ・ワールドシリーズでダルビッシュ投手が本塁打を打たれた際に相手選手が行い、問題となった。金鎮鉉も試合後「サポーターの顔も覚えている。次からはこういうことがないようにして欲しい」と語った。 柏の担当者が試合後に中継映像や防犯カメラの映像を確認したと
部落解放同盟の第75回全国大会が3日、東京都内で2日間の日程で始まり、部落差別撤廃や人権侵害救済法の早期制定を求める2018年度の運動方針案が示された。運動方針案では、差別をあおるヘイトスピーチが横行し、インターネット上では差別情報が氾濫しているなど、人権を巡る社会状況が悪化していると指摘。部落差別解消推進法の周知のための取り組みを進める必要があるとした。狭山事件で
東日本大震災の発生から3月で7年を迎えるのを前に、各地の語り部たちが活動を報告、今後の課題を共有しようと、宮城県南三陸町で「全国被災地語り部シンポジウム in東北」が25日、開かれた。3回目の今年は、震災の経験や震災遺構を、今後どう国内外へ伝えていくかがテーマ。阪神淡路大震災や熊本地震の被災地で活動する語り部や、外国人研究者、学生・生徒らが参加し、未来の防災について議論を深めた。(千葉元) シンポジウムは26日まで2日間の日程で、会場は「語り部バス」の活動など震災を風化させないとの取り組みが評価され、昨年「ジャパン・ツーリズム・アワード」の大賞を受賞した南三陸ホテル観洋。 初日の25日は開会を前に戸倉地区と志津川地区を回る「語り部バス」を運行、外国人参加者向けに英語による案内も行われた。震災遺構の旧結婚式場「高野会館」では、通常は立ち入り禁止となっている内部に参加者が入った。震災発生当時、
国籍・民族の違いによる差別や性的少数者への差別の解消を明記した東京都世田谷区の条例案が、26日の区議会常任委員会で可決された。3月2日の本会議で可決、成立する見通し。罰則はないが、区民が申し立てた苦情を調査する苦情処理委員会を設ける。区や専門家によると、国籍や民族による差別について苦情処理の仕組みを設けるのは珍しいという。 名称は「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」。議会で成立すれば、4月から施行される。性的少数者を含む性別などの違いや国籍・民族などの違いによる差別の解消を項目として明記し、「不当な差別的取り扱いをすることにより、他人の権利利益を侵害してはならない」と記す。 苦情処理委は区長の諮問機関で、有識者ら3人で構成。関係者から意見聴取などをして区長に意見を言い、区長は「必要に応じて適切な措置を講ずる」と定める。区は対象を区の業務と想定し、ヘイトスピーチ
災害時に外国人客が取りがちな反応を紹介したイラスト=北海道観光振興機構作成の「外国人観光客災害時初動対応マニュアル」より抜粋 1月に起きた草津白根山の本白根山(もとしらねさん)(群馬県草津町、2171メートル)の噴火では、訪日外国人向けの避難対策の必要性が浮き彫りになった。現地では対策を講じる動きもあるが、予算不足や風評被害への懸念もあり、関係者は苦慮している。 噴火から1カ月たった23日、12人が死傷した草津国際スキー場では噴火前と変わらず、観光客がスキーやそりを楽しんだ。人出が約6割まで戻る中、外国人の姿も目についた。日本を代表する温泉とスキー場がセットで楽しめるとして、町に宿泊した外国人客は2017年で4万6690人。5年前から4倍以上増加した。 噴火当日も、現場に取り残されたスキー客約80人のうち、4分の1が台湾や英国からの外国人だった。大きな混乱はなく全員が救助されたが、外国人向
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