パソコンやスマートフォンの普及で、子どもたちがふとした拍子に過激な性的表現に触れてしまうことがある。一方で、学校での性教育には「寝た子を起こすな」という考えも根強い。保護者や身近な大人が、子どもに正しく性の知識を伝えるにはどうしたらいいのか。 「どうしたら妊娠するか、学校では教えてくれない。親たちが逃げずに伝えて」。神奈川県相模原市の助産師、在川(ざいかわ)有美子さん(39)は5月半ば、親向けの性教育講座で約15人の参加者に、こう呼びかけた。10代で出産するリスクなどを解説し、「妊娠を『だめ』と言うのではなく、何でだめなのか一緒に考えてあげてほしい」と話した。 在川さんは約3年前から、市内の小中高校で命や性に関する授業をしている。だが、学校側から「性交渉」「コンドーム」などの言葉を使わないよう求められることがあり、性のことを理解してもらうには、幼いころから「土台」をつくっておくことが必要だ
長野県内の障害者支援施設で昨年5月、知的障害などがある女性が流産した胎児が衣類に包まれた状態で見つかっていたことがわかった。施設から報告を受けた女性の出身自治体が、性的虐待を受けた後に流産した疑いがあるとみて任意で調査したが、すぐに警察には届けられず、詳しい経緯は判明していないという。自治体は調査結果を県に報告した。 女性は施設の個室に長期型の入所をしていた。日中は他の支援施設で働き、夜間は戻ってきていた。施設間の移動は職員が送迎していたという。 流産の判明後、女性の出身自治体が任意の調査に入った。県によると、県も自治体も「女性が性的虐待を受けた疑いがある」とみていたという。しかし、自治体が実施した聞き取りでは、妊娠の経緯は明らかにならなかった。 その後、女性側から被害が警察に届けられたが、胎児はホルマリンで保存され、DNA型鑑定は困難だったと県は説明している。 知的障害者の性被害事件に詳
幼い頃に2度、性暴力の被害を受けた心理カウンセラーの女性が、親子向けの性教育セミナーを始めた。「私のように苦しむ子どもを無くしたい」。性の問題をタブー視せず、正しい性知識で身を守って欲しいと願う。 「プライベートパーツと呼ばれる口、胸、性器、肛門(こうもん)は、命をつなぐ大切な場所。勝手に触ろうとする人には『やめて』『嫌だ』と言って、逃げて良いです」 昨年12月、大阪市西区であったセミナーで、大阪府吹田市の柳谷和美さん(49)が呼びかけた。参加者は、未就学児や小学生とその母親ら計26人だった。 柳谷さんは、自らの出産シーンの動画を映し、男女の体の違いや子どもが生まれるまでの流れなどを説明。望まぬ妊娠や出産を防ぐため、「人を好きになることはとてもすてきなこと。でもセックスだけが愛情表現ではない」と訴えた。 親子を対象にするのは、性の…
小さないのち みんなで守る 朝日新聞が都道府県などに取材したところ、2013~16年度の4年間に路上などに遺棄された子どもは少なくとも58人いた。多くが生後間もない赤ちゃんで、妊娠を家族らに打ち明けられず、孤立したまま出産し、遺棄に至ったケースが多いとみられる。 予期せぬ妊娠をしても、児相や病院、電話相談窓口など、どこかに相談すれば何らかの支援につながり、赤ちゃんが遺棄される事態は防げる可能性が高い。だが、東京・渋谷など街頭で若者に声をかけたり、若い女性からの相談に乗ったりしているNPO法人・BONDプロジェクト代表の橘ジュンさん(46)は、困難な状況なのに自分からSOSを出せない女性たちを多く見てきた。 街で出会ったある少女は「妊娠したが、相手がわからない」と話し、橘さんとまず病院に行く約束をした。しかし、約束の時間に彼女は現れなかった。「『自分を否定されたくない』などと、相談に大きな抵
障害者や遺伝性疾患を持つ人の不妊手術や中絶を認めていた旧優生保護法を巡り、宮城県在住の知的障害を持つ60代女性が強制的不妊手術を受けたことを示す記録が、情報開示請求で見つかった。障害者の不妊手術の証言が公的文書で裏付けられるのは初めて。26日に同県内で記者会見した女性の義理の姉は「手術で多くの人の心身が傷ついた。これ以上、障害者がおろそかにされることがあってはならない」と訴えた。 1948年に制定された旧優生保護法は「不良な子孫の出生を防止する」として、一部の遺伝性の病気や精神障害の人に強制的な不妊手術を認めており、約1万6500人が対象になった。同意を得た上での不妊手術・中絶を含めると、約8万4000件が実施されたとされる。96年に優生思想に関連する規定が削除され、母体保護法に改定された。
若い時にがんを発症した「AYA(アヤ)世代」と呼ばれる患者への対策が課題になっている。がん患者全体に占める割合は小さいが、希少がんを含めがんの種類は多い。進学や就職、結婚、出産など人生の節目に直面し、ほかの世代とは違った悩みを抱えている。 治療・相談の充実、国が議論 東京都内に住む齊藤太樹さん(32)は9年前、足に点状の内出血があるのに気付いた。11歳で慢性骨髄性白血病にかかったが、骨髄移植を受け、症状は落ち着いていた。看護師になり1年ほどで仕事がひと通りできるようになったと思った矢先に、働いていた病院で検査を受け、今度は急性リンパ性白血病と判明した。 「5年生存率も知っていた。半分の確率で死ぬと覚悟した」。一方で、入院中に見舞いに来た看護師の友人の話に「自分がベッドで寝ている間も仕事しているんだ」と孤独さを感じた。 臍帯血(さいたいけつ)移植を受けて1年後に復職。「一からやり直しか」と再
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