性同一性障害の僧侶、柴谷宗叔さん(63)が性的少数者(LGBTなど)の相談などに応じる「性善寺」を寝屋川市の実家に建立するため、寄進を募っている。かつては自身の性について悩んだが、仏教を学ぶ中でカミングアウトした柴谷さん。「昔の自分と同じ立場の人たちのSOSに応える『駆け込み寺』のような存在にしたい」と話す。来春までに完成させる予定。 柴谷さんは、小学校低学年の頃から、体が男性で心は女性という性同一性障害に気付きながら日常を送ってきた。大学卒業後、新聞社に入社したが、仕事を続けるために職場では男性として振る舞った。 転機が訪れたのは平成7年の阪神大震災で、神戸市の自宅が全壊。地震発生時、寝屋川市の実家にいたことから自身は難を逃れたが、がれきとなった自宅から観光気分で四国遍路をしていた頃の御朱印などが記された納経帳を見つけた。ボロボロになった納経帳に「身代わりになってくれた」と感謝し、観光で