お笑い芸人と1人暮らしの高齢女性が一つ屋根の下で温かな絆を育む漫画「大家さんと僕」(新潮社)がロングセラーとなる中、学生が高齢者の自宅の空き部屋を間借りし、ともに暮らす「異世代ホームシェア」の取り組みが広がりを見せている。参加する高齢者の多くは1人暮らし。学生にとっては下宿よりも経済的で、高齢者にとっては1人暮らしの不安を減らすことができる。何より、世代を超えた交流が高齢者の毎日を明るくしている。(津川綾子) ◇ 東京都練馬区の宮本幸一さん(76)宅の玄関を開けると、宮本さんの靴の横に、きちんとそろえられた若者のスニーカーが並んでいた。靴の主は早稲田大4年の荒木遼太郎さん(21)。荒木さんは今年5月から、宮本さん宅に住んでいる。 刺激受け元気に 2人とも個室はあるが、玄関、リビング、風呂、洗濯機は共用。共用部の掃除は気づいたほうがやる。食事は基本別々だが、週1回程度、どちらかが夕食を2人分
シェアハウスで高齢者も支え合い=自治体が運営、孤立防ぐ-福島 高齢者シェアハウスの共有スペースで談笑する鈴木伊都美さん(左)と高橋セイ子さん(左から2人目)ら=4月25日、福島県伊達市 若者向けのイメージが強いシェアハウス。高齢化が進む中、福島県伊達市は2015年から高齢者用のシェアハウスを運営している。中山間地域で1人暮らしをしていた高齢者を市街地に呼んで孤立を防ぎ、家族のように助け合う形を目指している。 75歳以上、高齢者の半数超=3月1日現在人口-総務省推計 「近くで買い物ができて銀行や医療機関もある。おかずの交換もできる」。伊達市の住宅地にあるシェアハウス。広さ30畳の共用スペースで、鈴木伊都美さん(70)が笑った。夫や義父母が亡くなり、中心部から離れた一軒家を維持するのが難しくなったとき、高齢者用のシェアハウスを知った。「自分のために用意されたと思った」と振り返る。 シェアハウス
故人の遺品を片付ける「遺品整理」。経験者の多くは「大変だった」と振り返る。日用品をはじめとする遺品が思ったより多かった、ということもあるだろう。しかし、それ以上に大変なのは、遺品を通して故人との思い出に向き合わなければならない点にある。「思い」を大切にする遺品整理のあり方とは。 整理できない思い出 大切な人を亡くした悲しみは深い。特に配偶者が亡くなった場合は、なかなか悲しみから抜け出すことができない。 グリーフ(悲嘆)ケアのあり方について研究する坂口幸弘・関西学院大教授は「長く悲しみに沈む人を見て、いつまでも遺品をそのままにしておくから気持ちの整理ができないのでは、という人がいます。しかし、遺品を整理したら気持ちも整理できるというものではありません。遺品整理のタイミングは、自分がやろうと思えたときでいいのではないでしょうか」と語る。 家財整理の業界団体「家財整理相談窓口」の神野敏幸代表は「
「御用聞き」に対するニーズが拡大している理由は簡単だ。「家族で助け合う」ことが困難になっているからである。そこで、第三者の手を借りる必要が出てくる。 まず、「家族」がいない人がいる。身寄りのない高齢者をはじめ、単身者は増える一方である。さらに、様々な事情により、「近くに住む家族」がいない人がいる。これも事実上の単身者といえるだろう。 また、冒頭で少し触れたように、高齢化などに伴って、医療や福祉などの支援が不可欠となり、それらの仕組みがないと「家族」そのものが維持できないといった問題が深刻化している。いわゆる「老老世帯」における「老老介護」が典型だ。 以上のような状況に追い打ちをかけているのは、地域そのものの分断と孤立化の進行である。 一昔前であれば、ご近所付き合いが活発で、銭湯などの社交場があり、世話焼きおばさん・おじさんが必ずいた。このような生活環境がすでに衰退してしまったため、一人ひと
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