大阪府北部で最大震度6弱を観測した地震は、自力で逃げることが困難な要支援者の安否確認の課題を浮き彫りにした。国は要支援者の名簿作成を市町村に義務づけているが、名簿を活用できたのは一握りだった。名簿を基に要支援者の見回りをする民生委員などをあらかじめ決める「個別計画」の策定も、担い手不足で進まない現状が改めて明らかになった。「名簿をいつ、どんな時に使うかという明確な規定はなかった」。地震で2人が
政府が12日に閣議決定した2018年版の防災白書で、都道府県が開催する防災会議の女性委員の割合について、17年度は徳島が48.1%で全国首位だった。東日本大震災では女性用の物資の不足などが問題となり、女性委員の割合を高めることが重要だが、徳島を除く四国の3県は全国平均を下回った。防災白書によると、全都道府県の防災会議の委員総数は2851人で、うち女性は425人(14.9%)。徳島以外の四国の女
近所づきあいがないなど社会的つながりが弱い高齢者は、介護が必要になったり死亡したりするリスクが、そうでない人より約1・7倍高いとする調査結果を、筑波大などの研究チームがまとめた。京都市で開催中の日本老年医学会の学術集会で発表する。 調査は滋賀県内の自治体に住む65歳以上の8434人が対象。2011年以降、回答者を6年間追跡調査した。 11年当時、要支援・要介護状態でなかった人は6603人。その中で「近所づきあいがない」「独居」「ボランティアなど社会参加をしていない」「経済的に困窮」の4項目のうち、二つ以上が該当する社会的つながりが弱い人は1186人いた。うち約半数の575人が6年後までに要支援・要介護状態になったり、亡くなったりした。 社会的なつながりが弱い人の要介護・死亡リスクは、年齢や病気、服薬の影響などを考慮しても、4項目に全く当てはまらない場合に比べて、約1・7倍高かった。また、社
お年寄りは増えているのに、地域で活動する老人クラブは減っている。九州・山口に限らず、全国的な傾向だという。高齢者活動の中心的な存在だけに関係者の危機感は強い。なぜ減っているのだろう。 福岡市博多区の老人いこいの家で週に1回、住吉校区老人クラブ連合会(藤井しつ江会長、70人)の例会が開かれる。70~80代の会員十数人が参加し、ソフトダーツなどのレクリエーションに興じる。 的の中心にダーツが刺さると「おーっ」と歓声。ある女性の得点が「81点」と読み上げられると「あんたの年たい」とつっこみが入る。「みんなと会っておしゃべりできるのが楽しい」と副会長の山内良三さん(74)。 老人クラブは、生きがいや健康、仲間作りを目的に運動や文化、地域づくり活動を行う。おおむね60歳以上を対象にし、「歩いて集まることができる小地域」内で組織する。1クラブの会員数は30~100人。1963年、老人クラブへの援助を地
2025年頃:介護人材が全国で37.7万人不足 2033年頃:全国の3割が空き家に 2040年頃:女性の平均寿命がおよそ90歳まで上昇 2040年頃:人口の3割が高齢者 2065年頃:高齢者1人を1.3人が支える社会に 女性の4人に1人は95歳まで生きる 今日本は、大きな分岐点に立っている。 2016年の出生数は97万人あまりと、初めて100万人を下回った。今後この減少の流れは加速し、65年には約55万人にまで落ち込んでいく。一方18年は、65歳以上に占める75歳以上(後期高齢者)のシェアが、65歳から74歳まで(前期高齢者)よりも多くなる転換期となる。高齢者の中でも、高齢化がより進んでいるのだ。60年にいたると、総人口の2割が80歳以上になるという。現在、女性の4人に1人は95歳まで生きるといわれている。私たちは、超高齢化社会の真っ只中にいるのだ。 人口が減り続ける一方、老人の割合が急増
家族を亡くした生活保護受給者が申請し、火葬代などが支給される「葬祭扶助」の大半が、一人暮らしの生活保護受給者本人が死亡した際に支給されていることが、20政令市と東京23区に行った読売新聞の調査でわかった。 親族がかかわりを拒み、代わりに民生委員らが申請するケースが多く、経済的に困窮しながら孤立する単身の高齢者が増えている状況を表している。 厚生労働省によると、葬祭扶助は、生活保護受給者の申請により身内の遺体の運送代や火葬代など必要最小限の葬祭費用を補う制度。受給者本人が死亡し、親族が申請者とならない場合、自治体が頼んで地域の民生委員や、みとった病院に申請者になってもらうことが多い。 読売新聞が2016年度の葬祭扶助の支給状況などについて、生活保護受給者の多い都市部の43市区にアンケート調査を実施。単身の受給者本人が死亡して支給された割合について、26市区が概算などで回答した。 このうち、「
保育の情報サイト「ほいくらいふ」を展開するウェルクスは、都内に在籍する高校1・2年生284名を対象に「保育業界の課題に関するアンケート調査」を実施、23日、その結果を公表した。 それによると、約95%が「待機児童」について聞いたことがあり知っていると回答。最も多かった回答は「少しは知っている」54.7%、次いで「聞いたことはあるがあまり知らない」27.2%という結果となった。 保育士不足について「全国で必要な保育士が6万9000人不足していることを知っていますか」と訊ねたところ、全体の90.6%の学生が知っていた。また、保育士の業務負担について「保育士の半数が毎日残業していることを知っていますか」という質問では、76.2%の学生が認知していた。 保育士の業務負担を解決するために高校生ができると思うことは、「子どもと遊ぶ」「遠足・運動会などの行事の手伝い」がどちらも5割以上に上り、専門的な知
子ども食堂、悩むニーズ把握 7割「来てほしい子来ない」 九州運営者アンケート 2018/3/24 6:00 温かい食事や居場所を提供する「子ども食堂」について、九州の運営者にアンケートしたところ、7割が「来てほしい家庭の子に来てもらえない」とニーズ把握に悩んでいることが分かった。17日に福岡県春日市であった「広がれ、こども食堂の輪! 全国ツアーin福岡&九州サミット」の実行委員会が調査した。実行委は「地域や子どものニーズに合わせて食堂の形態を考えていく段階に来ている」と指摘する。 アンケートは2~3月に実施。九州7県で子ども食堂を運営する49の団体・個人から回答を得た。 利用対象者を尋ねたところ、7割以上が「大人を含めて誰でも」。子ども食堂は貧困対策を出発点としてきたが、最近は家庭や地域に居場所のない子の受け皿になったり、学習支援の場になったりと形態が多様化しており、対象を「生活困窮家庭の
発生から11日で7年を迎えた東日本大震災。広島経済大(広島市安佐南区)では発生以降、学生グループが継続して被災地に入り、被災者へのインタビューなどを続けており、初の記録集作成を進めている。貴重な証言を集めたインタビューの集大成で、完成後は被災地に届けるほか、県内の図書館などにも配布する予定。グループのメンバーは「被災者の貴重な証言を風化させない」と言い切る。 広島経済大では平成23年3月の東日本大震災の発生後、学生たちが被災地に入って復興を支援。そうした学生たちの提案で翌24年、学生主体の「東北支援プロジェクト」が始動した。 被災者の経験を後生の教訓として生かすため、継続的に被災地に入り、被災者をインタビューしている。 29年春、プロジェクトの代表に就任した谷岡潤哉さん(21)は廿日市市出身。中学校時代に学校の行事として被災地の中学生と手紙などを交換する体験もしていた。 大学に入ると「被災
死の意味を説き、死者を供養する僧侶の元には多くの霊魂譚が寄せられる。本章では僧侶1335人に対するアンケートや聞き取り調査から、霊的現象の事例を紹介し、その傾向、メカニズムを解説する。その前編。 「うちの寺では檀家さんからの除霊や鎮魂をお受けしています。つい先日も、ある方が『最近、体の具合が悪い。家の仏壇を粗末にしていたから、ご先祖様の怒りを買ったに違いない。供養して欲しい』とおっしゃる。自宅にお邪魔すると確かに、仏壇は何年も放置された状態でホコリが被っていて、何代前かわからないような古い位牌がいくつも置かれている。私はきちんとお掃除して、どの霊位が祀られているのかを確認し、回向をして差し上げました。檀家さんは、『おかげで(体の具合が)良くなった』と言っておられたので、回向には一定の効果があったのかな、と思います」 東の元には、こうした除霊などの相談が年に数回あるという。檀家が「心霊写真」
死の意味を説き、死者を供養する僧侶の元には多くの霊魂譚が寄せられる。本章では僧侶1335人に対するアンケートや聞き取り調査から、霊的現象の事例を紹介し、その傾向、メカニズムを解説する。その後編。 「霊魂に関するアンケート」では、2011(平成23)年3月11日に起きた東日本大震災後、被災地における霊魂現象の体験や、鎮魂行為の有無についても聞いている。 アンケートにこの項目を入れた理由は、筆者が数年間にわたる震災後の報道に関わる中で、現地でしばしば、「被災地で幽霊を見た(という人を知っている)」「鎮魂行為を行った」とする証言を耳にしたからである。 6年間で175件 調査結果を分析する前に「被災地の幽霊」に関する報道について、少し、紹介しておきたい。 筆者は、記事検索システムにかけて震災後6年間に報じられた記事数をカウントしてみた。 対象メディアは朝日・毎日・読売・日経・産経の5大全国紙と、共
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