入場料を値上げする美術館が増えている。文化の発信地として市場経済とは一線を画していると思いきや社会の変化を映して来館者層も変わり、経営は楽ではないようだ。高齢化、訪日客の増加など日本社会に訪れている変化の波が押し寄せているのは美術館も同じ。入場料の値上げには対応しようと工夫する美術館の姿が映し出されている。高齢者無料見直し相次ぐ「入場料無料は70歳から」。茨城県水戸市にある水戸芸術館は7月2
判断力が弱った高齢者は詐欺商法に狙われやすい。被害を少しでも食い止めようと、信用金庫のOBたちを集めた団体が成年後見人になり、認知症のお年寄りの財産管理に乗り出す動きが全国に広がっている。 梅雨寒のある日、城南信用金庫を退職した清水幸雄さん(70)は、介護福祉士や社会福祉士の資格をもつ上田早苗さんと東京・品川の賃貸住宅を訪れた。2人は品川に支店がある5信金が作る「しんきん成年後見サポート」のスタッフだ。6畳一間に住む70代の男性は認知症の傾向がある。 テレビを凝視する男性に、上田さんが「ワールドカップを見るの?」と話しかける。「私は野球だから……」「どのチームが好き?」「……西鉄。稲尾」 男性は数十年前に上京し、故郷とは音信不通。病が襲い、生活がままならなくなった。親族に代わって品川区長が家裁に法定後見を申し立て、同サポートが受任した。以来2年半、2人は毎月、男性宅を訪れ、管理する口座から
6月26日、神奈川県横須賀市久里浜の八幡町内会館。いかにもローカルな公民館でひと仕事終えた久野秀隆さんに、「俳優の山田孝之さんに似てると言われませんか?」と尋ねると、「めちゃくちゃ言われますね」と苦笑した。 「自動販売機に貼られている山田さんの広告を見て、『あ、先生だ』という方もいますよ。でもね、名前を間違えて憶えている方も多いんです。『先生、やまだたかおさんにそっくり!』なんてよく言われるんですけど、それはきっと笑点で座布団を運んでいる山田隆夫さんで(笑)。どうやら名前がごっちゃになってるみたいですね」 俳優の山田孝之さんの名前を思い出そうとして、笑点の山田隆夫さんの名前が口に出る。なかなかダイナミックな勘違いだが、久野さんにとっては「あるある」なのだ。 山田孝之似の元役者で起業家、かつトレーナー 久野さんの職業は、高齢者を対象に運動を指導する、介護予防トレーナーだ。同業の6人を束ねるベ
消費者庁は3日、有料老人ホーム「イリーゼ」を全国展開するHITOWAケアサービス(東京都港区)に対し、終身入居できない場合があるのに、パンフレットに明記しなかったのは景品表示法違反(有料老人ホームに関する不当表示)に当たるとして、再発防止を求める措置命令を出した。有料老人ホームに関する不当表示のうち、終身入居に関する行政処分は初めて。 違反と認定されたのは、2016年9月~今年6月、同社が運営する106施設で入居希望者らに配布されるパンフレットの表示。介護度が重くても終身ケアを受けられると書かれていたが、実際には認知症で他の入居者に危害を及ぼす場合などが契約解除の対象だった。同社は表記を変更し、再発防止策を検討している。
本庄市は6月1日から、全国初の成年後見制度に特化した電話相談「後見ほっとライン」を開設、運用を始める。制度を熟知した専門のオペレーターが成年後見の必要性の査定などきめ細かく対応することで、気軽に相談しやすいような環境を整える。市は相談実績などを踏まえ、来年度以降の本格実施を検討する。 この事業は市と綜合警備保障、一般社団法人「後見の杜(もり)」が協働で実施。綜合警備保障などは群馬県の富岡甘楽圏域(富岡市など4市町村)でも同時にスタートする。 成年後見制度は、認知症や知的障害などで判断能力が不十分な人の財産管理などを弁護士などが後見人として支援する。ただ、制度自体が分かりにくく、個人情報も絡むことから、市がこれまで実施してきた窓口での対面式の相談件数は年10件程度にとどまっていた。 後見ほっとラインは、オペレーターが成年後見制度を熟知しており、制度の説明や成年後見の必要性に加え、金銭トラブル
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