医療が進歩し、がん患者の生存率は向上している。がんが増える60歳過ぎまで仕事を続ける人も増える中、医療費やそれ以外の出費にどう備えればいいか。「少なくともこれだけは」というお金の考え方の基本を、自身も乳がん経験者で、多くの患者の経済的な相談に乗ってきたファイナンシャルプランナー、黒田尚子さん(48)らに聞いた。 収入減と支出増 40歳で右乳房を全摘し、再建手術を受けた黒田さん。就労世代の家計へのがんの影響は、ずばり「収入減と支出増」だという。当たり前のようだが「診断後に家計の収入や支出がどう変化するか、具体的にイメージするのは難しい」と話す。 例えば夫ががんになり、治療や体調不良で仕事を休むとまず夫の収入が減るが、共働きだと、看護などで妻の収入まで減る。一方、支出は治療費に加えて交通費、家事・育児サービスや外食なども意外にかさむ。 対策は単純明快。「収入を増やして支出を減らす。それだけです
介護保険料の引き上げが広がっている。日本経済新聞の調べでは、65歳以上の介護保険料は8割の市区町村で上がった。現役世代が加入する企業の健康保険組合では、全国の約1400組合のうち3割が2018年度に保険料率を引き上げた。介護給付費は過去10年間で57%増え、医療費の伸びを大きく上回る。介護保険制度の維持には給付抑制が課題だ。65歳以上の介護保険は市区町村や広域連合が運営する。保険料は介護サービ
政府は、国と地方あわせて約330万人に上る公務員の定年について、現在の60歳から65歳に段階的に延長する方向で検討に入った。少子高齢化で労働力人口が減る中、働ける人材を確保するとともに、年金支給年齢の引き上げに対応する狙いがある。また、女性職員の要望が強い結婚前の旧姓使用を行政文書全体に広げることも決めた。 定年延長は民間企業でも広がっているが、公務員の定年延長がその動きを後押ししそうだ。菅義偉官房長官は1日の記者会見で「少子高齢化が進行する中、高齢者の就業促進は今後の社会のあり方を考えるうえで極めて重要」と強調した。 15~64歳の生産年齢人口は2015年の7708万人から40年に5787万人に減る見通し。政府は6月に閣議決定した骨太の方針に公務員の定年延長を盛り込み、省庁横断の会議で具体策の検討に着手していた。 国家公務員(約58万人)の定年を65歳まで延長するための国家公務員法改正案
在職中にうつ病を発症し、27歳で自ら命を絶った北九州市元嘱託職員の両親が29日、うつ病は業務が原因と考えられ、公務災害(労災)にあたるとして遺族への補償などを市に求める訴えを福岡地裁に起こした。常勤職員なら認められる労災補償の請求権を非常勤には認めていない同市の条例により、違法に請求を阻まれたと主張している。 訴状によると、市内の区役所で子ども・家庭問題の相談員をしていた森下佳奈さんは、採用約9カ月後の2013年1月、心身の不調を訴えて休職。うつ病と診断された。2カ月後に退職しても改善せず、15年5月、自ら命を絶った。 両親は、残されたメールなどから「上司のパワハラが日常化し、業務内容も過重で支援が不十分だった」として、市に労災認定請求の手続きを照会した。市は、非常勤職員の労災補償に関する市の条例を引き、労災認定は市の指定部門が担うものの、「職員本人や遺族には認定を申し立てる権利はない」と
地方議員、厚生年金に加入=自民、成り手不足で待遇改善 自民党のプロジェクトチーム(PT)は6日、成り手不足となっている地方議員の待遇を改善するため、自治体の首長や職員と同様に厚生年金の加入対象とする案の検討に入った。2011年の地方議会議員年金制度廃止後は、引退後の生活保障がない状態だったためで、各党と協議し議員立法による次期臨時国会への法案提出を目指す。 地方公務員共済組合に入れるのは首長や職員らに限られているが、PT案では議員も加入できるようにする。加入後、企業に勤めるサラリーマンと同じように勤務先と折半で保険料を納付すれば、厚生年金と医療保険の給付を受けられる。ただ議員の場合、保険料の折半分が税金で賄われるため議論を呼びそうだ。(2017/07/06-17:08) 関連ニュース 【経済記事一覧へ】 【アクセスランキング】
上司による退職勧奨などで精神障害を発症し、休職したが、休業補償金が支給されなかったとして、愛知県内の女性が労働基準監督署の不支給処分の取り消しを求めた裁判の控訴審判決が16日、名古屋高裁であった。藤山雅行裁判長は、請求を棄却した一審・名古屋地裁判決とあわせて、不支給処分を取り消した。 判決によると、女性は同県武豊町の病院で臨床検査技師として勤務。2010年ごろに上司から「ほかの病院を探したら」と退職を勧められるなどして精神障害を発症。休職を経て、12年に退職した。休業補償金を求めた女性に対し、半田労基署は「業務上の疾病とは認められない」として不支給処分としていた。 高裁は、休職前に女性が上司から怒鳴られ、病院側から一方的に約3時間、退職を迫られた点を挙げ、「心理的負担は精神障害を発症させる程度に過重だった」と指摘。発症と業務の因果関係を認めた。 半田労基署は判決を受けて「関係機関とも協議し
政府が進める働き方改革にあわせて、愛知県は2017年度、長時間労働の改善に取り組む企業に社会保険労務士を「働き方改革アドバイザー」として無償で派遣する事業を始める。社会保険労務士が在籍するコンサルタント会社などに事業を委託。残業時間を削減し、短時間で効率よく働く職場づくりや休暇の取得促進に積極的な企業を公募して今夏以降、15社程度に派遣する方針だ。 社会保険労務士は企業の部署ごとの勤務時間や人員配置、会議時間などを確認して社員らと効率化について話し合い、アドバイスする。出社時に社員同士が1日のスケジュールや優先順位を共有することで残業が減ったケースなどを紹介するほか、上司が夜遅くまで職場に残っている会社は残業が多くなるといった悪い例も説明して改善を促す。 県は、労使の団体などとつくる協議会で企業に定時退社や有給休暇の取得を奨励。「県内一斉ノー残業デー」も定めているが、「啓発だけでは長時間労
遺族年金の支給認めず=性同一性障害で自殺-広島地裁 山口県岩国市の女性会社員=当時(29)=が自殺したのは、性同一性障害を理由に退職を強要されたからだとして、遺族が国を相手に遺族補償年金を不支給とした岩国労働基準監督署の決定取り消しを求めた訴訟の判決で、広島地裁(末永雅之裁判長)は25日、遺族の請求を棄却した。遺族側は控訴する方針。 判決によると、女性は2008年11月、勤務先の中古車販売会社の同僚に性同一性障害を告白。「会社の風紀を乱した」などとして解雇通知を受けた。女性は告白後にうつ病を発症し、09年1月に自殺した。 末永裁判長は「同僚に障害を告白したことは大きな心理的負荷だった」と認めたが、業務とは関連がないと判断。「一般的に性同一性障害の人はうつ病を発症しやすい」などとして、本人に自殺の原因があったと結論付けた。 遺族側の生越照幸弁護士は「性同一性障害の人の職場での居づらさが
熊本地震の復旧・復興が本格化する中、熊本労働局によると、作業員の労災事故が熊本県内で132件に上り、死亡例も4件確認されている。地震発生から9カ月。県は被災建物約3万3千棟(想定)の公費解体を来年3月までに完了させる方針で、熊本労働局はさらに事故が増える恐れがあるとして、安全管理の徹底を呼び掛けた。 労働局によると、復旧に絡む労災事故は昨年4月から8月まで、毎月20件程度発生した。9月以降は10件程度だが、担当者は「報告が遅れるケースもあり、ほぼ同じペースで発生しているのでは」と分析する。 内訳は、瓦修理中に屋根から落ちるなどの「墜落・転落」が66件と半数を占めた。落下物による負傷11件、転倒10件と続く。重傷となり1カ月以上の休業見込みとなったのは死亡事故を含めて計84件で、全体の6割超に達した。 死亡事故では昨年9月、西原村のがれき仮置き場で分別中にはじけ飛んだ廃材が顔に当たり、作業員
This copy is for your personal, non-commercial use only. Distribution and use of this material are governed by our Subscriber Agreement and by copyright law. For non-personal use or to order multiple copies, please contact Dow Jones Reprints at 1-800-843-0008 or visit www.djreprints.com. http://jp.wsj.com/article/SB12639540122206773900404582497771412340642.html
2011年に廃止された地方議員の年金制度をめぐり、24道県議会で31日までに、議員が厚生年金に加入できるよう国に法整備を求める意見書が可決された。年金廃止で退職後の生活が不安定になり、議員のなり手が減っていることが主な理由に挙げられている。ただ、反対意見が強い議会もあり、実現するかは不透明だ。 全国都道府県議会議長会と各地の議会への取材でわかった。意見書を可決したのは北海道、宮城、愛知、和歌山、鹿児島、沖縄など24道県議会。 かつての地方議員年金制度は、議員が払う掛け金や自治体負担で運営されていたが、「平成の大合併」などで議員が減って財政が悪化。在職12年で受給資格を得られることも「特権的」と批判され、民主党政権下の11年6月に廃止された。 総務省によると、廃止直前、都…
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く