高齢化がピークを迎える2040年ごろの自治体行政の課題を検討している総務省の「自治体戦略2040構想研究会」(総務大臣主催、座長=清家篤・慶應義塾大学事顧問)は3日、住民の生活上のニーズに民間の力も活用して対応するため、ソーシャルワーカー(SW)が組織的に仲介する機能が必要だとする報告書をまとめた。人口減に伴い公務員も減ると想定し、公的部門の機能転換を図る。総務省がソーシャルワーカーの活用に言及するのは異例。 研究会報告を踏まえて政府は5日、第32次地方制度調査会(首相の諮問機関、会長=市川晃・住友林業(株)取締役社長)を発足した。その諮問事項の一つが「公・共・私のベストミックス」で、ソーシャルワーカーの活用もそこに含まれる。 調査会は学識経験者18人、国会議員6人、地方6団体の代表者6人で構成。諮問事項の具体化を議論し、2年以内に答申する。行政改革の文脈でソーシャルワーカーが議論されるの
認可保育施設などに入れなかった今年4月時点の待機児童数を毎日新聞が調査したところ、政令市など全国87市区町村で1万1342人で、前年より33%減少した。各自治体による保育施設新設などの対策が需要の拡大に追いつき、待機児童の増加に歯止めがかかったとみられる。厚生労働省の調査では、全国の待機児童数は17年まで3年連続で増加しているが、今年は減少に転じる可能性がある。ただ、増加した自治体もあり、国が掲げる「2020年度末までに待機児童ゼロ」との目標達成は見通せていない。(3面にクローズアップ) 調査は5~6月、20政令市と東京23区、17年4月時点の待機児童が100人を超えていた44市町村を対象に実施し、全自治体が回答した。認可保育施設の定員はこの1年で5万9868人分(前年比7%)増え、98万4395人分になった。待機児童数は約7割の63自治体で減少。待機児童ゼロの自治体は昨年の9自治体から大
介護保険制度で、要支援向けの新方式の低報酬訪問・通所介護の利用率が低いことがわかった。より重度の要介護1、2まで低報酬訪問・通所介護に含める財務省案に、自治体から「無理だ」と批判が出ている。【斎藤義彦、稲田佳代】 昨年9月、東京都北区の通所介護「フィットネスデイもあ」が閉鎖された。北区が昨春導入した新方式の通所介護の報酬が低く「収入が3割減った」(関係者)ためだ。約150人の利用者は区が他施設に移した。元利用者の女性(86)は「なぜあんないい施設が閉鎖されるのか。設備も内容もよかったのにもったいない。理解できない」と不満を漏らす。「もあ」は2003年、要支援だけを対象に運動に特化し、機器を使い2時間でリハビリしていた。国が06年に要支援の介護予防を推奨した後、流行したリハビリだ。新方式の報酬は従来より約4割低く、直撃を受けた。「国の政策を他に先駆けて行ったのにはしごを外された」と関係者は嘆
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介護保険料の引き上げが広がっている。日本経済新聞の調べでは、65歳以上の介護保険料は8割の市区町村で上がった。現役世代が加入する企業の健康保険組合では、全国の約1400組合のうち3割が2018年度に保険料率を引き上げた。介護給付費は過去10年間で57%増え、医療費の伸びを大きく上回る。介護保険制度の維持には給付抑制が課題だ。65歳以上の介護保険は市区町村や広域連合が運営する。保険料は介護サービ
総人口、7年連続減=高齢者3500万人突破-総務省推計 高齢者 総務省は13日、2017年10月1日現在の推計人口を公表した。在日外国人を含む総人口は前年比22万7000人(0.18%)減の1億2670万6000人で、7年連続の減少。65歳以上の高齢者人口の割合は27.7%と過去最高を更新し、初めて3500万人を突破した。高齢化の進展ぶりが一段と鮮明となった。 65歳以上の高齢者は3515万2000人。このうち75歳以上は1748万2000人とほぼ半分を占めた。一方、0~14歳の年少人口は12.3%の1559万2000人となり、いずれも過去最低を記録した。 働き手となる15~64歳の「生産年齢人口」の割合は、ピークの1992年から10ポイント近く低下して60.0%となった。50年の59.7%に次ぐ低水準で、労働力不足が深刻化している。(2018/04/13-19:18) 【政治記事一覧へ】
保育園の利用を申請し、落ちた場合などに、育児休業期間と育休給付金受給を延長できる国の制度を巡り、横浜市と川崎市が、保育利用の申請をしなくても延長できるようにするよう政府に求めている。育休延長のために形式的に保育の利用申請をする人が一定数いて、本当の待機児童数が見えにくくなっているためだ。 育児・介護休業法で、育休は子どもが1歳に達する日までとされている。育休期間中は、雇用保険の育休給付金として、給料の一定額を受け取れる。 保育園に申し込んだが入れなかった場合は、育休は2歳まで延長でき、給付金も受給し続けることができる。待機児童問題が慢性化するなか、保育園に入れず復職できない人のための、救済措置の性格だ。 だが実際には、「もっと子どもと一緒にいたい」などの理由で、個人の選択として育休の延長を望む人もいる。 川崎市の昨年4月入園に向けた申請では、利用申請をしたものの保留となり、かつ昨年4月1日
●進まぬ時間延長 「みんなで食べるとおいしいねえ」。玄葉チエ子さん(75)はご飯、みそ汁、目玉焼きの朝ご飯を平らげた。福島県いわき市のデイサービス「人生(いきがい)の里」(定員35人)。昨年4月から始めた朝食サービスで7人がテーブルを囲む。映画「ティファニーで朝食を」よろしく「デイサービスで朝食を」がその名前だ。本来は午前9時半スタートだが9時からに前倒しして30分間を朝食に充てる。兼本まゆみ主任は、朝食を食べず、薬も飲んだかわからない利用者がぐったりしているのを目にして早めの朝食提供を提案した。 玄葉さんは、直前の食事や薬の服用も忘れる。親族が自宅で見る水曜、日曜以外の週5日、デイサービスが朝食と服薬管理を担う。兼本主任は「本人、家族、職員も安心できる」と話す。介護保険制度の適用外だが1回180円と低価格に抑え、現在いる職員でやりくりし対応する。
結婚して子どもをつくった夫婦が離婚あるいは死別をきっかけに、親権を得た父親か母親が1人で子どもを育てる。あるいは女性が未婚のままで妊娠・出産してシングルマザーとして生きていく――。こうした「ひとり親家庭」が増えている。 厚生労働省が2015年に発表した「ひとり親家庭等の現状について」によれば、2011年度時点の母子世帯数は約124万世帯、父子世帯は約22万世帯と過去25年間で母子家庭は1.5倍、父子家庭は1.3倍に増えた。 ひとり親世帯の年収は平均よりも低い 働きながら子どもを育てるという制約の下、ひとり親家庭は金銭的に苦しんでいる世帯が少なくない。同じ厚労省の調査によれば母子世帯の平均年収は181万円(正規270万円、非正規125万円)、父子世帯は360万円(正規426万円、非正規175万円)。男性507万円、女性269万円の平均年収よりも相対的に低い。特に母子世帯の母親は収入が低く、身
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