刑務所や少年院を出た人たちの社会復帰や自立支援を行っている更生保護施設「端正会」(和歌山市黒田)が、全面改築された。入所する男女の生活空間を明確に区別し、防災設備なども整備。11日には内覧会が開かれ、居室や食堂などが公開された。 端正会は大正2年、支援を開始し、昭和5年から現在の場所で活動する県内唯一の更生保護施設。全国に14カ所ある女性が入所できる更生保護施設のうちの一つで、毎年約100人の入所を受け入れている。窃盗や覚醒剤に関わる事件で逮捕され、有罪になった人が入所者の約8割を占め、高齢者や女性も増えているという。 施設の老朽化などに伴って改装されることになり、昨年6月に着工。これまでは男女共用スペースが多く、男女間トラブルや覚醒剤中毒者同士の交際につながる可能性も危惧されていたため、居室や食堂、洗濯室、出入り口を男女別に新設し、生活空間を区別した。 耐震構造を備え、地域貢献の一環とし
厚生労働省は婦人保護施設に母親と同伴して入所する18歳未満の子どもが増えていることを受け、2018年度から同伴児に対応する職員の配置を増やす方針だ。現在、最大で3人配置できる措置費の加算があるが、これを5人に増やす。18年度の予算要求に盛り込んだ。しかし、現在もこの加算は十分に活用されていない。施設側は人員配置基準の改善など抜本的な見直しを求めている。 同伴児をめぐっては、児童相談所の関与が薄く、通園・通学もできない「宙に浮いた存在だ」とする指摘がこれまでもあり、09年度から措置費に加算が設けられた。 昨年12月には性暴力被害者支援に関する与党のプロジェクトチームが、同伴児の問題を含め、婦人保護事業を抜本的に見直すよう提言をまとめた。 婦人保護施設は売春防止法に基づく施設。売春するおそれがあるなど保護の必要な女性が措置により単身で入所することが基本だ。16年4月現在、全国に48施設ある。
第193通常国会が1月20日に召集された。安倍晋三首相は「未来を拓く国会」と位置付け、将来にわたり持続可能な社会保障制度を構築する考えを強調した。薬価制度の抜本改革などで国民負担を軽減する一方、児童養護施設出身の学生向けに返還不要の奨学金制度を今年から始めるなど「子どもたちが夢に向かって頑張れる国創り」を打ち出した。会期は6月18日までの150日間。 安倍首相が、同日の施政方針演説で提出予定の法案などについて意気込みを語った。 神奈川県立の障害者支援施設「津久井やまゆり園」(相模原市)で昨年7月に発生した殺傷事件については、再発防止策として精神保健福祉法を改正する考えを表明した。措置入院患者に対し、退院した後も支援を継続する仕組みを設けるとした。 河川の氾濫で浸水想定区域にある高齢者、障害者、乳幼児が利用する施設に避難計画の作成・訓練の実施を義務付けるため、水防法を抜本改正することも明言し
新法について児童養護施設、更生保護施設など関係者と議論した(9月8日、救世軍本営・山室軍平記念ホール) 売春防止法に基づく婦人保護事業に新法を求める動きが活発になってきた。全国婦人保護施設等連絡協議会(全婦連、横田千代子会長)は今春、「女性自立支援法(仮称)」の骨子をまとめた。女性ゆえの生きにくさを抱えた人に敷居の高い現行制度を改め、早く支援につなげて生き直しを支えることが狙いだ。1956年5月の売春防止法公布から今年でちょうど60年。全婦連は今後、新法の必要性を説明するキャラバンを組み、各地をまわる予定だ。 新法の検討は2015年7月から全婦連プロジェクトチームが進め、今年4月に骨子をまとめた。売春した女性を「要保護女子」という保護の客体ではなく権利の主体とすることが柱。自立に向けて切れ目なく支援できる体制を目指す。 売春防止法第4章「保護更生」に位置付けられた婦人保護事業には、「収容」
配偶者や恋人からの暴力「ドメスティックバイオレンス(DV)」などで苦しむ女性を緊急に一時保護する民間シェルターの草分け的存在、「女性の家HELP」(東京)で労働争議が起きている。事業の責任者の雇い止めを機に労働組合が誕生。スタッフも減り、女性の保護に影響が出かねない事態となっている。 HELPを運営するのは、公益財団法人「日本キリスト教婦人矯風会」。一夫一婦制の確立や公娼(こうしょう)制度の廃止をめざして1886年に設立され、戦後は売春防止法やDV防止法の制定などに力を注いできた。 HELPは、矯風会の創立百周年にあたる1986年、人身取引の被害に遭った外国人女性の保護を主な目的に開所。現在は性暴力やDVの被害者などを幅広く受け入れている。 矯風会の理事会は昨年10月、矯風会が運営する別のシェルター「ステップハウス」とHELPを統合する計画と、HELPのディレクター(責任者)の2016年3
通所女性が中絶 「望まない妊娠、再発防止を」 20代男女、施設内で性行為 施設側、認識の甘さ認める /神奈川 横浜 横浜市内の知的障害者の通所施設で働く知的障害者の20代男女の間に子供ができ、女性が中絶する出来事があった。「望まない妊娠の再発防止につなげたい」と女性の母が明かした。取材を進めると、男性側の苦悩も浮かんできた。知的障害者の性とどのように向き合うか−−。一度は宿った命を前に、思いは交錯している。【宇多川はるか】 施設や家族によると、施設職員が昨年12月上旬、数回にわたって施設内で男女の性行為があったことを確認。場所は毎回、施設の無施錠の会議室だった。産婦人科で診察を受けると、妊娠7週と判明。「出産、育児は難しい」と判断した男女の母たちが知的障害者の中絶を扱う病院を探したが見つからず、施設が紹介した個人院で今年1月上旬、中絶手術を受けた。その後、男性は別施設に移った。 この記事は
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