全身の筋力が低下する難病で治療法が見つかっていない「ミトコンドリア筋症」で人工呼吸器をつけながら一人暮らしをする平本歩さん(31)=兵庫県尼崎市=が今月、自らの半生をつづった自伝を出版した。話すこともできず、舌のわずかな動きでパソコンを操作し執筆。ほとんど体を動かせなくても、懸命に自らの意思を伝える生き方に共感が広がっている。(加納裕子) 顔の筋肉が動かなくなる前に自伝を 本の題名は「バクバクっ子の在宅記 人工呼吸器をつけて保育園から自立生活へ」(現代書館)。「バクバク」は簡易呼吸器が作動する音を意味するという。 舌で動かせる特殊なマウスによるパソコン操作で、会話の文章作成などを行ってきたが、ここ数年、それが難しい日が増えた。顔の筋肉が動かなくなる前に「人工呼吸器の使用者や障害者の参考にしてもらうため、自伝を書く」と決意。執筆に取り組んできた。 平本さんは生後6カ月で人工呼吸器をつけた。気