愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から受刑者の男が脱走してから、22日で2週間。指名手配された平尾龍磨(たつま)容疑者(27)=写真=の潜伏先とみられる広島県尾道市の向島(むかいしま)では、広島、愛媛両県警などが延べ1万人以上の捜査員を動員し捜索しているが、依然行方は不明だ。事件長期化の懸念も広がる中、外出を控える住民の不安とストレスが増大。自転車イベントが中止に追い込まれるなど、大型連休を前にした島の観光にも影響が及んでいる。(児玉佳子、森康成) ■窃盗7件情報300件 捜索14日目の21日朝、島北部のスーパー駐車場に両県警の捜査員が集まった。逃走に使われたとみられる盗難車が乗り捨てられた尾道大橋近くの駐車場から西に約1キロ。事件発生以来、最多となる16匹の警察犬が投入され、周辺の住宅地の細い路地や空き家付近に入って平尾容疑者の痕跡を捜した。 今治市から瀬戸内しまなみ海道を経由して北
大阪市旭区で昨年6月、認知症を患う夫=当時(85)=の首を絞めて殺害したとして、殺人の罪に問われた大槻美知子被告(82)の裁判員裁判で、大阪地裁(松田道別裁判長)は22日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。 松田裁判長は判決理由で、被告が不眠症や介護のストレスで適応障害と診断されていたことを重視。夫の症状からも「介護の負担が重くなかったといえず、精神的に追い詰められて犯行に至ったことは同情の余地がある」とした上で、「再犯の恐れも認め難く、亡き夫の供養をさせることが相当だ」と述べた。 大槻被告は起訴内容を認めており、量刑が争点だった。検察側は介護の負担は重くなかったなどとして実刑が相当と主張していた。 起訴状などによると、昨年6月4日、自宅マンションで睡眠薬を飲ませて眠っていた夫の首をネクタイで絞めて殺害したとしている。その後、首をつろうとしたが息子が発見し、110番
知的障害などがあり、犯罪を繰り返す累犯障害者を、弁護士と社会福祉士が連携して捜査や刑事裁判の段階から支援する取り組みが全国に広がりつつある。福祉の受け皿を用意することで刑務所ではなく、社会で更生させる試み。6年前に大阪府で始まり、今月スタートした兵庫県で7か所目となる。模索が続く累犯障害者の支援策の一例として注目されている。 取り組みは、逮捕されたり公判中だったりする累犯障害者について、福祉施設などで生活しながら立ち直りを目指す「更生支援計画」をまとめ、検察庁や裁判所に提出、不起訴処分や執行猶予付き判決を求めるもの。累犯障害者が生まれる背景には、適切な福祉支援を得られていないことや、刑務所での服役が必ずしも更生に結びついていない点などがあるとされる。 そこで、大阪の弁護士会と社会福祉士会が2011年、福祉のサポートを受けて更生を目指す方が再犯防止につながるとの考え方に基づき、取り組みを始め
京都府警は4月から、薬物事件で摘発した未成年者について、治療のための専門医療機関を紹介し、初診料を一部負担する取り組みを始める。29日、薬物依存治療に実績のある府立洛南病院(同府宇治市)との間で協定を結んだ。早期の適切な治療で薬物依存や再犯を防ぐ狙いで、全国で初の取り組みという。 府警に薬物事件で摘発され、不処分や保護観察処分となった府在住の未成年者が対象。保護者の同意を得た上で同病院での治療を紹介し、その際、初診料の一部(約3500円)を公費で負担する。約30人を見込み、京都府の新年度当初予算に約18万円が盛り込まれた。 府警によると、平成28年に府内で薬物事件で摘発された未成年者は前年より14人増えて31人。中でも大麻に絡んで摘発されたのは中高生を含む25人(前年比14人増)で、全国ワースト3だった。 こうした深刻な状況に加え、薬物事件は再犯率も高いため、府警は病院と連携した治療・回復
殺人や殺人未遂などの罪に問われた名古屋大の元女子学生(21)に24日、有罪判決が言い渡された。法務省などによると、確定した場合には、罪の重さへの自覚を促すため刑務所で面接や指導を受ける。精神障害に対する治療を受けることも可能という。 女性受刑者は全国10カ所ある女子刑務所のいずれかに入所。犯罪の責任を自覚させる改善指導があり、講話や面接で遺族の心情を理解させ反省を深めたり、被害者に誠意をもって対応したりする方法を学ぶ。望ましい社会観や人間関係の在り方について指導を受ける。 医療体制は刑務所の規模などで異なるが、受刑者が望めば、精神科医の診察やカウンセリング、投薬を受けられるほか、症状次第では外部への通院も可能だ。専門医療を行う医療刑務所も4カ所あるとしている。 精神障害を抱えた受刑者の更生について精神科医の中島直医師は「入所中だけでなく、服役後に社会に適応できるように周囲が環境を調整するこ
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