所得が低い世帯の子どもは、高所得世帯に比べて体重が少ないまま成長する「体重増加不良」の比率が1・3倍だったことが、北里大の可知悠子講師(公衆衛生)らの調査でわかった。貧しさや、育児に手が回りにくくなるという指摘もあり、十分な食事を与えられていないことが背景にあるとみられる。 厚生労働省のデータから2001年と10年生まれの健康な子ども計約5万5千人を対象に調べた。まず、出生体重から1歳半時点の望ましい体重を算出し、続いて、実際の健診時の体重との差を求めた。発育や認知能力に悪影響が出る恐れのある、体重の増加率が下位5%の子どもを「体重増加不良」として、世帯の所得との関係を調べた。 01年生まれでは、所得が下位から4分の1(所得平均279万円)の世帯の子どもは、所得上位4分の1(同924万円)の世帯より1・3倍、体重増加不良だった。10年生まれでもほぼ同じ傾向がみられた。 手当や栄養指導が日本
介護は「お嫁さんの仕事」というのは一世代前の話だ。介護者全体に占める「子の配偶者(いわゆる婿や嫁)」は9.7%まで低下した。 一方、同居の介護者に占める男性割合は増え続け、直近で34%になっている。男女ともに介護者は60代以上が7割となっており、自身の健康が気になる世代による介護が当たり前だ(平成28年、厚生労働省・国民生活基礎調査)。 今回は、宮城県石巻市における男性介護者支援の取り組みを見る。 石巻市の高齢化率は31.09%で日本全国平均の27.3%(2017年3月時点)を上回る。7年前の東日本大震災で津波被害の大きかった半島地域は、高齢化率がさらに高く、牡鹿では46.49%と人口の半分近くが高齢者だ。こうした地域は、日本全体が近い将来、直面する課題を先取りして経験している。 震災後、長野県から宮城県に移り住み、地域医療を支える歯科医として働く河瀬聡一朗医師は、仕事の傍ら、男性介護者の
「こども宅食」、月3710円の節約に=東京都文京区が実態調査 LINE ふるさと納税 子育て支援 東京都文京区と、子育て支援に取り組むNPO法人「フローレンス」などは24日、ふるさと納税で集まった寄付金を原資に、生活が厳しい家庭に食品を無料で届ける「こども宅食」の利用者アンケートの結果を発表した。事業を半年間行った結果、利用者の間で月平均3710円の節約につながり、一定の効果がみられたという。 こども宅食は全国初の試みで、2017年10月から官民連携で開始。対象は区内の児童扶養手当や就学援助を受ける世帯で、無料通信アプリ「LINE(ライン)」上で申し込みを受け、2カ月に1回、米やレトルト食品などを自宅に配送する。応募のあった458世帯から抽選で150世帯を選んだ。 アンケートは事業開始直前に1回目を行い、150世帯中128世帯が回答。利用者のうち最も多かったのが一人親世帯(79世帯)で、祖
庄司 智昭 編集者 / ライター|東京と秋田の2拠点生活|inquireに所属|関心領域:ローカル、テクノロジー、メンタルヘルス|「おきてがみ( note.mu/okitegamilocal )」というローカルマガジンを始めました 厚生労働省の調査によると、日本における子どもの貧困率は2015年時点で13.9%。つまり「7人に1人」の子どもが、貧困状態に陥っていることになります。さらに、ひとり親家庭にしぼるとその割合は「2人に1人」にまで高くなります。 そうした子どもたちに向けて、新しいセーフティーネットを作る取り組みが始まりました。東京都文京区と5つの団体が運営する「こども宅食」です。生活の厳しい家庭を対象に、1~2か月に一度、米や飲料水、レトルト食品など約5~7kgが宅配されます。 こども宅食は、ふるさと納税の制度を活用したことでも注目を集め、2017年度は8000万円以上の寄付が集ま
貧困家庭の子どもたちに食事を提供する取り組みをしている教会関係者で2016年に結成した「クリスチャンこども食堂ネットワーク」(庄野明洋代表)。2月19日に同ネットワーク関東連絡所(東京都千代田区)で、関東こども食堂情報交換会が立ち上げられ、こども食堂に関わるプロテスタントやカトリックの教会関係者ら15人が参加した。 会では、1日の食事を給食に頼っている子は、夏休みになると痩せていくなどこども食堂を通して貧困問題が見えてくる、貧困家庭は母子家庭が多いなどの声が報告された。こども食堂の取り組みに対して地域が協力的で、業者から食材の提供などがある一方、子どもが騒ぐことで近隣より苦情が来るため、会場の選定が難しいなどの意見が共有された。 個々の活動紹介により、提供対象を子どもに限らず、「孤食」の高齢者にも広げているところや、食事だけではなく、学習支援も行っているところなど食堂による特色の違いが示さ
広島県は平成30年度、子供の貧困対策として、朝食を無償提供する仕組みづくりの検討などに乗り出す。30年度当初予算案に約7100万円を計上した。 県が小学5年生と中学2年生、保護者を対象に実施した調査では、約4分の1が「生活困難層」で、朝食を食べない割合が高いことなどが判明していた。 県が検討する朝食の無償提供は、登校前を前提に提供する場所や提供者などの方法を、地域の協力も得て具体化。3カ所をモデルに想定し、効率的な運営や持続可能性を検証する。 県や市町、各種団体の関係者でつくる「子供の未来応援推進会議」(仮称)も設置する予定。子供の貧困問題などに対処するため民生委員や児童委員への研修を実施するなど、社会全体で貧困の連鎖を防止していく。
奈良市は25日、職員が家庭で余った食品を持ち寄って生活困窮者らに寄付する「フードドライブ」を同市役所で初めて実施した。集まった食品は、27日に開かれる「フードバンク奈良」設立記念セミナーで、同バンクに贈られる。 この日は職員37人が米やインスタントラーメン、フルーツの缶詰のほか、食用油や調味料など家で余った食品を紙袋に入れて持ち寄った。市福祉政策課によると、市内の家庭系可燃ごみのうち、手つかずのまま捨てられた食品は平成27年度は推計919トン、28年度は1385トンにも上ったという。 パスタや缶詰を寄贈した地域福祉課の桝谷美貴子さん(32)は「家で眠っていたものが困っている人の役に立てばうれしい。活動ももっと広がればいいと思う」と話していた。 福祉政策課の早瀬宏明課長は「食品ロスを減らし、貧困家庭も支援できることは環境、福祉の両面から見てもいい活動。今後は市民にも活動の裾野が広がるよう推進
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