「お互いさまのまちづくり」が人口減少社会を押しとどめる――。そんな信念を持って地域社会と医療現場の距離を近づけようと活動する看護師らが埼玉県草加市にいる。老若男女、誰でも駆け込んで来られるようにとグループ名は「みんなの保健室 陽(ひ)だまり」。健康とおしゃれを考えるファッションショーや昭和の歌コンサートなど、活動の幅は広い。 代表は草加市在住の看護師服部満生子さん(73)。宮城県生まれで、都内や埼玉県内の医療施設に勤務。医療大学で看護教員をした経験を持つ。2015年に退職した後、経験を地域の活動につなげたいと考えた。東大公共政策大学院で地域包括ケアシステムなど医療政策の研究も重ねた。並行して草加市立病院勤務時の元同僚らの協力を得てスタッフを集めた。 そのさなか、服部さんに転機が訪れる。乳がんになった。全摘手術を受け、抗がん剤治療を始めた。自分が患者になって初めて、医療従事者と患者の意識のギ
出所者の社会復帰を助けるNPO法人「マザーハウス」(東京都墨田区、五十嵐弘志理事長)は、出所者支援の一環として同事務所の隣に開設するカフェの改装費集めに、不特定多数の出資者を募るクラウドファンディングを活用する。カフェは「マリアカフェ」と名付け、当事者主体のコミュニティカフェとして、ミーティングやカウンセリングを行うほか、加害者家族やいじめ、ドメスティックバイオレンス(DV)被害、生活保護などに関する相談も受け付ける。 利用予定のスペースは、これまで倉庫として使われていたため、壁も床もコンクリートがむき出しでトイレやエアコンなどの設備も整っていない。現在は当事者スタッフ総出で塗装工事をしている段階だ。目標額は300万円で、出資額は1口2千円から。 5口以上の出資者には、受刑者が描いた世界に1つだけの絵画を使用した「獄中POSTシリーズ」ミニセット(ポストカード1枚、封筒1枚、便箋10枚)2
こども代表として6日の式典で「平和への誓い」を読み上げた広島市立牛田小6年の新開美織(みおり)さん(12)と、市立五日市東小6年の米広優陽(ゆうひ)さん(12)は、「未来に伝える」決意を誓いに込めた。 新開さんは、被爆10年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さん(当時12)のことを本や証言で学び、「原爆の悲惨な記憶や平和への思いを伝えていきたい」と感じた。 米広さんは、慰霊碑を巡ったり被爆者の証言を聴いたりして、「これからは自分たちの世代が原爆の事実を語り継がないといけない」と思うようになった。 式典後、新開さんは「ゆっくりでもいいから、平和について受け継ぎ、つなぎ、語り継いでいきたい。きょうの誓いが、一人でも多くの人が平和について考えるきっかけになったらいい」と話した。(田中瞳子)
西日本豪雨で甚大な被害を受けた広島県で、聴覚障害者が同じ障害のある被災者を支援している。「広島県ろうあ連盟」が運営するボランティアセンターが参加者を募り、同県坂(さか)町(ちょう)などの被災地で活動を始めた。「私たちも復興の力になりたい」。参加者は被災者と手話でコミュニケーションをとりながら、片付けや土砂のかき出しを精力的に行っている。(桑波田仰太、入沢亮輔) 氾濫した土砂に多くの民家が巻き込まれた同町小屋浦地区。被害にあった同地区の大島孝博さん(46)宅に、スコップを持った聴覚障害者や手話通訳者ら10人が訪れた。 「この土砂はどこにかき出せばいいのか」「土(ど)嚢(のう)はどこに積み上げればいいか」。耳は聞こえないが手話通訳を通じ、大島さんの要望を理解して作業にあたる。10人がそれぞれスコップで土砂をかき出すなどし、あっという間に土嚢の堤防をつくっていた。 大島さんと同居する両親は聴覚障
東京都の「青少年問題協議会」がまとめている、ひきこもりの若者向けの支援策の案をめぐり、当事者や家族でつくる団体が、高齢化する当事者の実態を反映していないなどとして、見直しを求める要望書を30日、小池百合子知事あてに出した。 都の協議会は「ひきこもり、ニート、非行等の社会的自立に困難を有する若者に対する相談支援」について都から諮問を受け、大学教授などの委員でつくる専門部会で議論し、支援策に関する案を固めた。若者や家族が悩みの相談先を探せるポータルサイトを作ったり、思いを伝えるのが苦手な若者にかわって各支援機関が何に悩んでいるか「代弁」する仕組みを模索したりする内容。ただ、支援策の案に引用されているひきこもりの統計は、11年前の調査で、15~34歳のみを対象としている。 これに対し、「KHJ全国ひ…
浅田氏が立候補へ 来春の道知事選 来年春の任期満了に伴う北海道知事選挙に、新人で介護福祉士の浅田創成氏(45)=伊達市=が無所属で出馬することが分かった。30日午後、室蘭市内で出馬表明会見を…
ボランティア活動の合間に、氷で頭を冷やす人たち=岡山県倉敷市真備町地区で2018年7月14日午後1時2分、猪飼健史撮影 西日本豪雨の被災地を酷暑が襲っている。全国から集まった災害ボランティアの人たちが熱中症で搬送されるケースが相次ぎ、体力の落ちている被災者も多いことから「2次被害」のリスクが高まっている。専門家は「被災地をいっそう混乱させかねない」として、熱中症対策を重視するよう求めている。 土砂災害で壊滅的な被害を受けた広島市安芸区矢野東では14日、ボランティア約15人が、住民らと一緒に土砂のかき出しや流木の撤去に追われた。 「休憩をとりましょう」。同市安佐南区から駆けつけた男性(45)が声を掛けると、タオルを首元に巻いたボランティアらはスコップを置き、汗びっしょりになった体を日陰で休めた。男性は消防関係の仕事に就いているため、現場でも体調管理に気を配り、30分間作業しては休憩を取るよう
この度の豪雨で被災された方に心よりお見舞い申し上げます。地震や豪雨といった想像していなかった災害に見舞われたこの1カ月。心休まらない日が続きます。 6月発生した「大阪北部地震」。私は大阪府茨木市の自宅で揺れに見舞われました。自宅は本棚が倒れたくらいで済み、幸い怪我はありませんでしたが、神社の石像が倒され、マンションのエントランスは地割れし、ブルーシートに覆われた屋根が幾つも見えます。変わってしまった地元の景色にショックを隠せませんでした。 まさかこんなことになるなんてきっと、これまで日本列島を襲ってきた数々の災害に遭われた皆さんが思われたことだと思います。 まさか、だけど、どこで起こってもおかしくないのだと。安全の保証など、本当はどこにもないのだということを。わかっていたようで、実際は自分が被害に遭わないとわからなかった。普通に生活できることは当たり前ではないのだと。 余震が続き不安な日々
判断力が弱った高齢者は詐欺商法に狙われやすい。被害を少しでも食い止めようと、信用金庫のOBたちを集めた団体が成年後見人になり、認知症のお年寄りの財産管理に乗り出す動きが全国に広がっている。 梅雨寒のある日、城南信用金庫を退職した清水幸雄さん(70)は、介護福祉士や社会福祉士の資格をもつ上田早苗さんと東京・品川の賃貸住宅を訪れた。2人は品川に支店がある5信金が作る「しんきん成年後見サポート」のスタッフだ。6畳一間に住む70代の男性は認知症の傾向がある。 テレビを凝視する男性に、上田さんが「ワールドカップを見るの?」と話しかける。「私は野球だから……」「どのチームが好き?」「……西鉄。稲尾」 男性は数十年前に上京し、故郷とは音信不通。病が襲い、生活がままならなくなった。親族に代わって品川区長が家裁に法定後見を申し立て、同サポートが受任した。以来2年半、2人は毎月、男性宅を訪れ、管理する口座から
高齢者相互支援活動推進事業によるリーダー養成研修会(主催・県老人クラブ連合会、共催・宮古地区老人クラブ連合会)が9日、宮古青少年の家で開かれ、受講生約60人に「高齢者相互支援活動推進員」としての身分証明書が交付された。 開講式で同連合会の蓋盛元常務理事は「研修会を機に、地域における訪問活動を積極的にしてほしい」と激励した。 講師を務める市社会福祉協議会のコミュニティーソーシャルワーカー古波蔵孝子さんは、宮古島市における地域づくり「ひとりぼっちをつくらない~宮古島市のCSW(コミュニティーソーシャルワーカー)の取り組みから~」と題して講義した。 古波蔵さんは、旧下地町社会福祉協議会に勤務していた2002年5月以後、地域福祉活動コーディネーターとして活躍。講義では当時の活動実績を紹介するなどした。 古波蔵さんはまた、これからの協働プロジェクトとして「ごみ屋敷処理プロジェクト、徘徊(はいかい)S
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