顔にアザや変形などの症状を抱える人の「見た目問題」について、東京都墨田区議会は29日、区民への啓発などを求めるNPO法人の陳情を全会一致で採択し、国に施策を促す意見書を可決した。NPO法人によると、この問題で地方議会が陳情を採択するのは初めてとみられる。 今月7日付で陳情を提出していたのは、同区を拠点に活動しているNPO法人「マイフェイス・マイスタイル」(MFMS)。陳情によると、「見た目問題」の当事者は他人から侮辱されるなどして自己肯定感を低下させ、就職や結婚でも困難を経験することが多いと指摘。区に啓発活動や実態把握を求めたほか、政府や国会に助成制度の創設や就職差別禁止などの施策を求める意見書を出すよう要請した。 同議会企画総務委員会は15日、3人の当事者から意見聴取。区議からも「自殺者が出るほどの問題。人権問題として取り組んでほしい」などの発言が相次いだ。
幼児10万人に1人の確率で発症するという難病「毛細血管拡張性運動失調症」(A―T)と闘う親子が青森市にいる。余命約10年という小学生の息子のために、母はNPO法人を立ち上げ、名前さえ知られていないこの病気の治療法を探している。医師たちによる研究会もNPOの要請で立ち上がり、10日に東京で初会合が開かれた。 「きょう、112回目です。お肉がいっぱいのところに刺すぞぉ」 1月30日夜。小山内(おさない)美和子さん(36)は青森市の自宅で、ソファに横たわった次男の龍弥君(10)の脇腹に注射針を差し込んだ。「痛い」と訴える龍弥君のおなかを優しくさする。2年以上前から続く、週1回の「恒例行事」で、龍弥君はこの注射で免疫力をなんとか維持している。 小さい時からよく転んでいた。心配した美和子さんが病院に連れていくと「気を引きたくてわざとやっているのでは」と突き放されたこともあった。だが、7歳の誕生日を迎
難病についての知識やボランティア活動への理解を深めてもらおうと、和歌山市毛見の県子ども・女性・障害者相談センターで13日、「難病ボランティア講座」が開かれた。市民ら約20人が講演に耳を傾けたほか、車椅子などを使った移動や介助を体験した。 県難病・子ども保健相談支援センターが主催。海南市の海南医療センターの理学療法士、阪口和男さん(56)が講師を務め、「ボランティア活動に役立つ車椅子と杖(つえ)の知識&介助・実技体験」をテーマに講演した。阪口さんは、難病によって歩くことができなくなるケースなどを紹介し、「患者の目線に立って考えることが重要」と指摘。「自宅や社会の環境が少し変わるだけで、難病の患者が暮らしやすい世の中になる」と強調した。 その後は参加者が車椅子や松葉づえを使い、段差の上り下りなどを体験。障害者支援のボランティアに取り組んでいるという和歌山市の薮中節子さん(68)は「松葉づえでは
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