各務原市の蘇原第二小2年の福田こまちさん(7)=同市蘇原旭町=はこの夏休み、母かすみさん(31)と、小児がんや白血病などで髪の毛を失った子どもに人毛のかつらを寄付する「ヘアドネーション」に協力した。多くの人に知ってもらおうと、自分の経験を自由研究としてまとめた。 こまちさんがヘアドネーションを知ったのは、二〇一六年十月の中日新聞の記事「がんの子に私の髪あげる」で、美濃市の藤吉胡歩(こあ)さん(当時小学一年)が髪の毛を寄付した記事を読んだことがきっかけだった。「私も病気の子のために寄付しよう」と決意したこまちさん。お母さんにも一緒にやろうと声をかけた。かすみさんは「こんなに考えてるなんてすごいなと思って、一緒にやることにした」と振り返る。
千房の中井社長。社訓は『出逢いは己の羅針盤。小さな心のふれあいに己を賭けよ。そこから己の路が照らされる』ニッポンには人を大切にする“ホワイト企業”がまだまだ残っている…。連載『こんな会社で働きたい!』第24回は、大阪市に本社を置くお好み焼きチェーンの千房ホールディングス株式会社(以下、千房)だ。 * * * 大阪にはお好み焼き屋が約6千店舗あるが、このうち全国的に展開している企業は数社に過ぎない。それくらいにお好み焼きの経営は難しい。 そのひとつ「千房」は大阪府で22店舗、全国では66店舗を展開し、お好み焼きといえば千房と言われるほど大阪での知名度は高い。そして、ここ10年で千房の名を新たに知らしめているのは、刑務所などからの出所者の採用に熱心であることだ。 「人間には無限の可能性があります。失敗したとしても立ち直れる、私はそのお手伝いをしたいんです」 千房を創業した中井政嗣(まさつぐ)社
日本では、世界の先陣を切って未曾有の高齢化が進むため、今後は経済システムやその背後にある価値観なども大きく変わっていくと予想される。経済システムは、大きく3つのメカニズムで動いていると考えられる。税金を基礎とした公共メカニズム、需要と供給を基礎とした市場メカニズム、家族や地域での協力を基礎とした共同体メカニズムである。 この記事で伝えたいのは、次の2点だ。1つは明治維新から最近まで、日本で市場メカニズムと個人主義の重要性が増してきたのに対し、今後は共同体メカニズムの重要性が増すようになっていく、大きな時代の転換期になること。もう1つは、明治維新が危機の時であったとともに、時代の変化を先見したリーダーたちが、政治、教育、ビジネスを含む多くの分野で活躍した時であったように、今は多様な個人を大切にする新しい共同体を構築したり発展させたりしていくリーダーシップを取る人たちのチャンスの時でもあること
若い女性に地方議員としてもっと活躍してほしい――。男性議員が大多数を占める現状を崩し、女性議員が自らロールモデルになろうと、各地で奮闘中だ。地方議会や国政選挙で男女の候補者数をできる限り均等にするよう求める法律が5月に成立した。様々な経験や価値観を持つ女性が議員を職業として選択し、力を発揮すれば社会は変わっていく。 ◇ ◇ ◇美容師と兼業、若手の声届け 福井・高浜町議の児玉千明さん
宅地建物取引士の資格を持つスタッフの土田さん。「物件の下見ができるのは、問い合わせたうちの1割程度」と話す(29日、新宿区で) NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(新宿区)の生活困窮者に賃貸アパートなどを仲介する事業が、借り主の収入が不安定だとして貸し手から断られ、物件の下見すら難しい現状となっている。同法人の大西連理事長(31)は「何とか協力していただける大家さんらを探したい」と話している。 「大家さんなど理解得たい」 同法人は2001年5月の設立で、現在はスタッフとボランティアが計約100人いる。これまでは、入居時の審査に通らず、住まいが不安定になりがちな生活保護の受給者や高齢者、非正規労働者らの連帯保証人を引き受けるなどしてきた。ただ、物件探しは本人が不動産会社と交渉していたため、相場より家賃が高い物件に入居することになってしまったり、原状回復などで不利な契約を結ばされた
ワンコインで若者向けのがん検診が受けられる、県内5か所の検診センターの一つ「山形検診センター」(25日、山形市蔵王成沢で) 35歳の長女をがんで亡くした山形県最上町の男性の寄付を活用し、県が昨年度始めた若者向けがん検診事業が好評だ。 自己負担が「ワンコイン(500円)」という手軽さが受け、初年度は当初の定員1000人を大きく上回る約1300人が受診した。男性が追加の寄付を決めたため、県は今年度も事業を継続している。県の担当者は「がんは早期発見が大切。多くの人に受診してほしい」と呼び掛けている。 男性は、最上町の建設会社社長・大場利秋さん(69)。大場さんは2016年1月、長女の久美子さんを大腸がんで亡くした。35歳の若さだった。 「娘のようなつらい思いを若い人には絶対にさせたくない」。大場さんはそんな思いで昨年7月、若者向けのがん検診の費用に使ってもらいたいと、県に200万円を寄付した。
「はじめまして!」 弾けるような笑顔とまっすぐな目でこちらを見据える。大橋グレース愛喜恵さん(29)。多発性硬化症と重病筋無力症、シェーグレン症候群という3つの難病を抱える。だがNHK Eテレの福祉バラエティー番組「バリバラ」にレギュラー出演し、講演のため全国を飛び回るその姿からは、24時間体制の介助を必要とする難病患者というのが到底信じられない。 1988年、日本人の父とアメリカ人の母のもと、福島県で生まれた。本やバスケが大好きな活発な少女は、中学3年の秋に始めた柔道にのめり込み、高校生になると渡米。北京オリンピックのアメリカ代表候補に選ばれるまでになる。 時を同じくして、身体に謎の異変が起きる。渡米前に左目、渡米後に右目の視力が弱まり、腕もしびれて力が入らなくなっていた。「私の身体に何が起きているんだろう」。一時帰国して検査を受けると、神経の機能に異常が出る難病と診断される。短期間の検
6月の「結婚式」を楽しみに、闘病を続ける梶原さん=熊本県阿蘇市で2018年5月21日午後5時42分、佐野格撮影 来月、手作りの結婚式 2016年4月の熊本地震で被災し、熊本県南阿蘇村の仮設住宅に暮らしながら乳がんと闘う主婦、梶原瑠美子さん(33)を支援しようと、長男が通学する小学校の保護者らが募金活動を始めた。結婚式を開かず、ウエディングドレスも着ていない梶原さんのために、寄付を活用してカメラマンやドレスを手配し、村内で6月8日に手作りの結婚式を計画している。 梶原さんは、地震後の16年9月、美容師の夫豊三さん(38)と長男蒼佑(そうすけ)さん(6)、次男琉心(りゅうしん)ちゃん(4)、三男碧志(あおし)ちゃん(2)の家族5人で仮設住宅に入った。入居前の16年6月に右胸にしこりを感じたが、産科で母乳のつまりとされるなどした。その後は避難生活と子育てに追われ、自分のことは後回しになった。
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