高齢化の進展で膨らむ国の社会保障費の抑制に向け、毎年議論になるのが国民負担の拡大だ。厚生労働省が来年度に向けてターゲットに見据えるのは「現役並み所得」の高齢者。医療、介護で一般の高齢者よりも自己負担の割合が高い高所得者層だが、この対象を広げるという案だ。理解を得られるよう少しずつ布石を打っている。「現役並み所得」の高齢者に照準「あれっ? 資料が増えている」。5月25日、医療保険制度改革を議論
経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)の民間議員が12日の会合で、医療・介護費の急増に備え、原則1割となっている後期高齢者の患者負担引き上げなどを念頭に、給付と負担のあり方の見直しや歳出効率化の強化などを提言することが7日、分かった。団塊世代が平成34年以降に後期高齢者となるのに備える。 昭和22〜24年生まれの団塊世代は約800万人いるとされる。順次、75歳以上の後期高齢者となるため、現在5千億円程度に抑えられている毎年度の社会保障関係費の前年度比増加額が、8千億〜9千億円程度に跳ね上がるとみられている。 こうした負担の増加を抑え、財政再建を進めるため、民間議員は平成34年には着手できるような「総合的」「重点的」な政策を検討するよう求める。 また、歳出効率化の進んだ自治体などに手厚く財政措置するインセンティブ改革や、ITを活用した業務効率化、地域ごとの医療費のばらつきなどが一目で分かる「
政府は、高齢化に伴う社会保障費の自然増に対する新たな抑制目標を設ける検討に入った。財務、厚生労働省などと与党で調整し、6月の骨太方針に盛り込む方針だ。 抑制幅によっては負担増に踏み込まざるを得ず、調整は難航しそうだ。 政府は2015年6月に、16~18年度の自然増を計1兆5000億円、各年度で5000億円以内に抑える目標を「目安」として閣議決定した。自然増は各年度で6300億~6700億円と見積もられ、それぞれ1300億~1700億円を削減し、目標を達成した。 16、18年度は医療サービスの値段を決める診療報酬改定で大幅に削減した。医療費には10兆円規模の国費が使われており、削減の余地が大きい。一方、17年度は医療や介護の自己負担などの制度改正で削った。
高齢になれば避けられない病気や転倒などによる体の障害。できるだけ以前の生活に戻るためにはリハビリテーションが重要だが、入院期間の短縮化が進み、環境が整わないまま退院となるケースも多い。効果の高い時期にリハビリを開始できるかが課題となっている。【堀井恵里子】 「足首が柔らかいと階段でつまずきにくく、靴も履きやすいですよ」。東京都八王子市の山本寿長さん(73)の自宅で、介護保険の訪問リハビリに来た作業療法士(OT)が、タオルを使い足を伸ばすストレッチを指導した。 山本さんは昨年10月に脳内出血で入院し左の手足にまひが残った。同市の医療法人「永生会」の回復期リハビリ病棟から今年1月に退院した直後から、同会の訪問リハビリを受けている。まひ改善には日々手を動かすことがカギで、作業療法士はテーブルを拭くなどの生活動作を確認した。倒れた時には「一生車椅子」と言われたが、6月には台湾に旅行するほど回復は順
厚生労働大臣の諮問機関、中医協=中央社会保険医療協議会は、再来年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向け、年明けから、医療と介護の連携や医療の効率化などについて、集中的に議論を始める方針を確認しました。 厚生労働省はこのうち、診療報酬の改定を議論する中医協=中央社会保険医療協議会の総会に再来年度に向け、入院、外来、在宅、それに医療と介護の連携といったサービスごとの課題や薬価制度の抜本改革をはじめとした効果的・効率的な医療への対応など、4つの主な検討項目の案を示しました。 また、議論の進め方として夏ごろまでに主な論点や経緯をまとめ、秋ごろまでに具体的な方向性を定め、年末までに改定の基本方針を定めるとしています。 中医協はこの案を了承し、再来年度の同時改定に向け、年明けから集中的に議論を始める方針を確認しました。
厚生労働省が来年度から実施する医療や介護の負担増の大枠が固まった。現役世代並みの収入がある70歳以上の人は医療費の自己負担上限が上がり、新しく75歳になる人は保険料の軽減特例がなくなる。大企業の会社員らは介護保険料の負担が増える。さらに対象を広げるか財務省と調整し、年内に最終決定する。 医療費では、年収に応じて自己負担月額の上限を定める「高額療養費制度」を見直す。年収が370万円以上で70歳以上の人は、上限を現役世代並みに引き上げる。年収370万円未満で住民税を払っている人も含めるかどうかは調整する。 75歳以上の後期高齢者には年収が低い人を対象に保険料を軽減する特例があるが、来年度から新たに75歳になる人を対象に廃止する。すでに75歳以上の人は3年かけて段階的に廃止することも検討する。 現役世代の介護保険料は、医療…
2018年度の介護報酬、診療報酬の同時改定に向けて、介護保険制度と医療保険制度の見直しが議論されている。年末までに結論を出し、来年の通常国会に関連法案を提出、一部は来年度から実施する予定だ。介護、医療費が増え続ける中、両制度の「整合性」を理由とした負担増の項目が並ぶ。【有田浩子、阿部亮介】 原則1割の利用者負担(9割は保険給付)で00年に始まった介護保険サービスは、15年度の前回改定で、所得上位20%の層にあたる一定以上の所得のある高齢者(年金収入のみの場合280万円以上)に、初めて2割負担を導入した。 厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会では今回、医療保険の患者負担割合との均衡を図るなどとして、所得や年齢に応じた利用者負担の拡大が検討されている。
Q 公的保険から事業者に支払われる介護報酬と診療報酬は同時に改定するもの? A 介護報酬は3年に1度、診療報酬は2年に1度見直され、同時改定は6年に1度となる。2018年度からは都道府県が策定する新たな医療計画や介護保険事業計画のサイクルが一致する。医療と介護の一体的な改革が加速しそうだ。 Q 医療と介護の連携が重要だとよく聞く。 A 国は社会保障費を抑えるために施設から在宅へ、という流れを進めている。団塊の世代が全員75歳以上となる2025年までに、病院の再編により地域で療養する人が今より約30万人増える。在宅にスムーズに移行ができるよう、前回15年度の介護報酬と16年度の診療報酬ですでに在宅医療重視の対応がとられているが、18年度は制度の見直しも含め大きな節目になる。
健保組合の負担軽減へ=介護保険見直しで-厚労省検討 介護保険制度で現役世代が支払う保険料をめぐり、高収入の会社員らにより多くの拠出を求める「総報酬割」を導入するため、厚生労働省が企業の健康保険組合に対する負担軽減策を検討していることが14日分かった。導入に反対する経済団体の理解を求めるのが狙い。 19日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護保険部会で議論する。厚労省は年末までに結論を出す方針だ。 介護費用は利用者が原則1割を負担し、残り9割は公費と40歳以上の国民が納める保険料で賄っている。現在は大企業が中心の健保組合や、中小企業による「協会けんぽ」が加入者数に応じて保険料を支払う仕組みだが、協会けんぽの負担が相対的に重く、国が年1450億円を補助。厚労省は社員の報酬総額に応じて保険料負担を重くする「総報酬割」を導入すれば、大企業と中小企業の間の不公平感が減ると考えている。 ただ、
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