在宅酸素や胃ろう(栄養摂取のために腹部に開けた穴)など、医療依存度が高い人を自宅でみることは容易ではない。だが、在宅医療では医師や看護師によるキメの細かい支援があるので、家族も心… 続きを読む
在宅酸素や胃ろう(栄養摂取のために腹部に開けた穴)など、医療依存度が高い人を自宅でみることは容易ではない。だが、在宅医療では医師や看護師によるキメの細かい支援があるので、家族も心… 続きを読む
自身の終末期に自宅で最期を迎えられると考えている人は23%にとどまるとのインターネット調査結果を、民間シンクタンク「日本医療政策機構」がまとめた。施設から在宅にケアの場を移す動きがある中、介護負担を減らすなど自宅でみとりができる支援策が国などに求められる。【河内敏康】 2016年に自宅で亡くなった人は死亡全体の13%だが、内閣府の12年度調査では55%の人が最期を迎える場所に自宅を望んでいる。 同機構が昨年11月、成年男女1000人を対象に、今の住環境や家族などを考えた場合に自分が自宅で最期を迎えることが可能か尋ねたところ、「分からない」が過半数の52%を占め、「可能」とした23%を大きく上回った。年代別では、一般的に介護に当たる人が急激に増えるとされる50代で「分からない」が61%と高かった。
高齢化による「多死社会」の到来で、通報で駆け付けた消防の救急隊員が心肺停止している高齢者の蘇生処置や搬送を拒まれるケースは、今後増えると見込まれる。その難しい判断の基準や根拠をどこに求めればいいのか。医療、救急の現場でルール化の検討が進みつつあるが、国に法整備を求める声も強い。【長谷川容子、三上健太郎、堀井恵里子】 「60代男性が自宅で意識不明、呼吸していない」。2016年12月、119番を受けて埼玉西部消防局(埼玉県所沢市)の救急隊員、小野和幸さん(45)らが駆け付けると、男性の妻は「末期がんなので、夫の望み通り自宅で最期を迎えさせたい」と訴えた。家族は主治医を呼ぶ予定だったが、その場にいない知人が急変を聞いて、慌てて119番してしまったという。
終末期を迎えた高齢者について、積極的な治療を控えて緩和ケアに移行することを選択肢に加える方針を、近年、医学会が相次いで発表している。背景には、過剰な延命治療によって苦しむ時間を延ばすよりも、自然で安らかな死を求めるといった価値観の変化がある。核となるのは、本人の意思。どんな最期を迎えたいか、家族や医療関係者、福祉関係者を交えて繰り返し話し合う必要性が指摘されている。(加納裕子) 「現場ではすでに行われている」 昨年3月、日本呼吸器学会は「成人肺炎診療ガイドライン2017」を公表した。これまでのガイドラインでは治療が前提だったが、今回初めて、誤嚥性肺炎を繰り返し終末期にある高齢患者などに対し、本人や家族の意思によっては、積極治療を控えてモルヒネの投与などの緩和ケアを行う選択肢を示した。作成委員の1人で大阪大学医学部付属病院感染制御部部長の朝野和典医師は「在宅や施設の看取りの現場ではすでに行わ
あさかわ・すみかず/1948年2月東京都中野区生まれ。東京都立西高校から慶應義塾大学経済学部に。1971年日本経済新聞社に入社。小売り・流通業、ファッション、家電、サービス産業などを担当。87年に月刊誌『日経トレンディ』を創刊、初代編集長を5年間勤める。93年流通経済部長、95年マルチメディア局編成部長などを経て、98年から編集委員。高齢者ケア、少子化、NPO活度などを担当。2011年2月に定年退社。同年6月に公益社団法人長寿社会文化協会常務理事に就任。66歳。 医療・介護 大転換 2017年5月に「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法」が成立し、18年4月からは介護保険と医療保険のサービス内容が改定された。少子高齢化が急速に進む中で、日本の社会保障はどう大きく変革するのか。なかなかその全貌が見えてこない、医療・介護大転換の内容を丁寧に解説していく。 バックナン
誰もが迎える人生の最終段階。病気が治る見込みがない場合に、医療やケアの方針をどう考えたらいいのだろう。本人の意思を尊重して話し合うように厚生労働省のガイドラインができているものの、実際には多くの課題があるのが現状だ。 東京都国分寺市の住宅街。2月9日の午後、介護ベッドで休んでいた90代の女性の自宅を医師と看護師が訪ねてきた。 「こんにちは」。医師の宮崎之男(ゆきお)さんが声をかけると、女性が少し目を開けた。60代の長男夫妻は「開けたね」とにっこり。宮崎さんは「足のむくみはないです。状態はいいです」。 女性は3年前から新田クリニック(国立市)の訪問診療を受けている。レビー小体型認知症で実際にはいない虫が見えるなどの幻視が出ていた。3年前は車いすで外出することもできたが、その後眠っていることが多くなり、意思疎通も難しくなった。要介護度は最も重い5だ。 長男は「自宅でみていると毎月、衰えていくの
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