労災問題に詳しい弁護士や医師らが電話相談に応じる「過労死一一〇番」が、一九八八年六月の開始から三十周年を迎えた。寄せられた相談は累計で約一万二千件。会社組織に閉ざされていた被害を掘り起こし、遺族らを支えて労災認定を勝ち取り、救済の道を広げてきた。けれども今なお、過労を巡る悲痛な声は後を絶たない。 (石川修巳) 「過労死は現代日本の大きな社会問題。まさか三十年後も、こうして続けているとは思ってもみなかった」。父の日にちなんで毎年六月、電話相談を運営してきた過労死弁護団全国連絡会議の川人(かわひと)博弁護士はそう述懐する。 五月末までに「一一〇番」に寄せられた約一万二千件の相談のうち、労災補償は54%の約六千三百件。当事者の死亡事案は約三千八百件あり、全体の32%を占める。過労やストレスで持病の気管支ぜんそくが悪化し、死亡したと認定した一九九九年の名古屋地裁判決など、「一一〇番」をきっかけに労
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