企業に義務付けられている障害者の雇用割合(法定雇用率)が4月から引き上げられる。新たに精神障害者の雇用分も入れて法定雇用率を算出するようになるからだ。身体障害者に比べて安定して働くことの難しい精神障害者。その働く場を広げる取り組みが進んでいる。【鈴木直、下桐実雅子】 病院、適職探し支援 東京都八王子市の堀川正志さん(62)は、うつ病を抱えながら都内の大手スーパーに勤める。担当は、前の仕事の経験を生かせるポップ(店内に掲示する販売促進文)づくりやブログの更新。働き始めて5年半がたち、今では趣味の写真の腕前を買われて地域の風景写真のギャラリーも任され、客から好評だ。 「できる仕事は何一つないと思っていた。病気が治ってから就労を考えていたら、いまだに仕事はしていなかっただろう」。堀川さんは笑顔で語る。
愛知県東海市の介護施設で昨年12月、休憩室で茶を飲んだ従業員の男女10人が相次いで体調不良を訴えた事件で、愛知県警は11日、茶に睡眠剤を混入したとして、東海市富木島町、施設の元従業員高屋律子容疑者(51)を傷害の疑いで逮捕し、発表した。「自宅から持ってきた睡眠剤を数十個入れた」と容疑を認めているという。 発表によると、高屋容疑者は施設に勤めていた昨年12月9日午前8時~正午ごろ、従業員用休憩室にある容器の茶に睡眠剤を混ぜ入れ、昼食時に飲んだ従業員10人(男性4人、女性6人)に、眠気やふらつきといった体調不良を起こさせた疑いがある。 東海署によると、休憩室の茶を飲んだ10人全員が体調不良を訴え、当日に病院で診察を受けた。翌日までに全員快復したという。一方で、施設内には利用者41人やほかの従業員もいたが、同じような症状の人はいなかった。 高屋容疑者は事件後の昨年12月末に施設を退職。調べに対し
県は、発達障害を抱える子どもやその家族への支援を強化するため、九州大学病院(福岡市)を「発達障がい者支援拠点病院」に指定した。同病院の高度な医療機能や専門的な診療体制を生かし、地域の医療機関や医療・福祉職をバックアップする。 拠点病院の事業を担うのは、同病院の「子どものこころの診療部」。医師や臨床心理士など多職種でチームをつくり、乳幼児期から青年期まで幅広い年代の患者の治療や、教育機関と連携した支援を行っている。 こうした専門性を生かし、地域では診療が難しい症例に対応するとともに、地域の医師らとのネットワークを構築する。県の発達障がい者支援センターのスタッフ養成、学校や児童相談所の職員らを対象にした研修の指導などにも取り組む。 発達障害は、対人関係を築くのが不得意な自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)などがある。国の調査では、公立小中学校の通常学級に通う子どもの6・
チャットを業務の効率化に生かすポイントが、定型化した自動処理をチャット画面から起動するボットの活用だ。先進事例を紹介する。 東京都と大阪府で訪問介護サービスなどを提供するグッドライフケアホールディングス(東京・中央)は、サービスを利用する介護者の情報をクラウド型の顧客管理システム「Salesforce」で管理している。チャットサービスはChatWorkを採用している。 管理している情報は年齢や住所などの個人情報や契約するサービス内容にとどまらない。介護職員が訪問したときに気が付いた重要な近況も専用の欄を設けて登録し、きめ細かい介護サービスに生かしている。「体調に異変がある。来訪前の午前中に、食事を嘔吐した様子もあった」「自宅の廊下で転倒した。けがをしている」──。Salesforceには被介護者のこうした容体変化が登録されていく。 同社は職員が駐在する支店が2都府で10近くある。近況は支店
医療的ケアが必要な子供や重度の障害児が日中を過ごす施設で、母親を雇用する取り組みが広がってきている。保育園など子供を長時間預けられる場所は少なく、仕事を辞めて孤独な子育てをしている母親も多い。職場を提供し、精神的、経済的に支える狙いだ。子供のそばで働ける安心感もあり、仕事との両立支援策として期待が高い。 ◆外の世界に再び 千葉県松戸市で医療的ケアが必要な子供を預かる「サボテンKIDS」。運営会社のアースは昨年10月から、母親の採用を始めた。パートの看護師、雅代さん(44)=仮名=は難病の長男(5)を預け、働いている。 長男はヌーナン症候群という難病で、1日に何度もたんの吸引が必要だ。出産までは助産師として働いていたが、子供を預ける先がなく、仕事の継続を断念。家族はいるが、これまでほとんど1人で介護や食事の介助をしてきた。「子供と家族だけの生活が、外の世界に触れられるように変わってうれしい」
介護保険が適用されるサービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」の推進を目指している東京都と豊島区が、利用者宅を訪問する介護職員の「指名料」の導入を検討していることが分かった。利用者は1時間当たり500円程度を追加負担する代わりに、看護師やあん摩マッサージ指圧師などの資格を持つ職員を指名し、施術や専門的な助言を受けられる仕組み。職員の賃金向上につなげ、不足している介護人材確保も目指す。【林田七恵】 現行制度では、保険内と保険外のサービスを同時に提供できないが、都などは地域を限定して規制を緩和する「国家戦略特区」の枠組みを利用し、2018年度をめどに混合介護のモデル事業を始めることを目指している。介護職員不足に対応するため、これまでは認められていない指名料の導入を10日の国との協議で提案する。
バジルのパスタを食べようとしたときだった。 午後9時半すぎ、西日本にある児童相談所(児相)でいつものように残業をして帰宅したワーカー(児童福祉司)のケイコ(仮名)の携帯電話が鳴った。遅い夕食とはいえ、夫と向かい合い、ほっとした時間を過ごそうとしていた。 児相からの着信に胸騒ぎがした。この日の夜は、緊急事態が発生すれば、対応しなければならない当番にあたっていた。 病院から、虐待が疑われるとの通報があったという。小学生が脳振盪(しんとう)を起こして運ばれたので、病院に行って確かめてほしいとの依頼だった。 ケイコはすぐに自宅を飛び出した。車を運転して約1時間。ほかのワーカーと病院で落ち合い、父親から何があったのかを聞いた。「質問しても息子が何も答えなかった。小突いた後に押し倒し、足で踏んづけた」とケイコに話したという。子どもは吐き気を訴え、そのまま入院した。 帰宅したのは午前0時すぎ。夫はすでに
障害児保育園ヘレンでは、シーツブランコなど家ではなかなかできない遊びも楽しめる。最初は嫌がっていても、他の子の様子を見てやりたがる子も(写真提供:フローレンス) 上:在宅で人工呼吸器をつけている子どもの数(厚生労働省社会医療診療行為別調査から)、下:主な介護者の睡眠時間(2015年度厚生労働省委託事業「在宅医療ケアが必要な子どもに関する調査」から) 障害児の看護・介護を、母親が一人で丸抱えしているケースが多い。子どもはほかの子どもたちと一緒に過ごすなかでぐんと成長できる。親も仕事ができ、経済的にも精神的にも安定する。障害児とその親を孤立させず、社会で支える仕組みが必要だ。 関東地方にある5年前に建てられた一軒家。庭に面した明るいリビングの中央には小さな布団が敷かれ、生後3カ月の赤ちゃんが眠っている。 心なごむ光景だが、よく見ると赤ちゃんの鼻には栄養をとるためのチューブが入れられ、足の指には
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