26歳でがんになり、2度の再発も経験した朝日新聞記者の上野創(46)のコラム「当事者のことばから」。これまでに出会った、様々な患者やその家族らの言葉を紹介してつづります。朝日新聞デジタル「がんとともに」のページで随時掲載します。 ◇ <strong>「闘いはった先輩たちから命のバトンを受け取り、できることをやってきたんですわ」(参院議員・山本孝史)</strong> 2007年12月、58歳で死去 ◇ 国会でカミングアウト 「私自身ひとりのがん患者として……」 2006年5月22日、本会議の議場で、民主党(当時)の参院議員だった山本孝史さんは、質問者として壇上でこう話し始めました。がんをわずらっていることを、いきなり明かしたのです。 「あえて自らがん患者と申し上げたのも、がん対策基本法の与党案と民主党案を一本化し、今国会で成立させることが日本の本格的ながん対策の第一歩となると確信するからで