日本精神保健福祉士協会(PSW協会、柏木一惠会長)は6月25日、旧優生保護法による不妊手術強制問題に関連し、被害者の掘り起こしと救済支援に取り組むよう求める文書を協会の構成員に発信した。「多くのPSWが旧法時代、この問題を看過してきたのではないか」とし、今できることをしようと呼び掛けている。 旧法は1948年に制定され96年に優生手術の規定は廃止された。日本弁護士連合会によると、精神障害などを理由に旧法下で行われた不妊手術は約2万5000件で、うち約1万6500件は本人の同意がなかった。 しかし、手術記録のない人や、手術されたのを隠したい人もいることから、被害の全体像は見えにくい。国に損害賠償を求め提訴する動きが相次ぎ、与党が救済法案の国会提出を検討していることから、同協会は「私たちがなすべきことは一人でも多くの被害者に情報を届けること」としている。 (福祉関連書籍)
旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らが不妊手術を強制されていた問題で、聴覚障害を理由に不妊手術や妊娠中絶を強制されるなどした男女6人が9日、大阪市で記者会見し、「子供のいる友達がうらやましかった」「悔しい」と手話で訴えた。うち3人は国を相手に損害賠償請求訴訟を起こす意向で、「被害を受けた人は声を上げて」と呼びかけた。旧法をめぐる国家賠償請求訴訟の動きは広がりを見せている。【高木昭午、大久保昂】 聴覚障害者に対する強制不妊手術を全国調査している「全日本ろうあ連盟」(本部・東京都新宿区、会員約1万9000人)が主催。会見したのは、大阪府、兵庫県、福岡県に住む70~80代の男女6人で、うち5人は実名で応じた。
優生保護法(1948~96年)の前身で、ナチス・ドイツの断種法をモデルにした国民優生法(40~48年)の法制化を積極的に進めた日本民族衛生学会(現・日本健康学会、渡辺知保理事長)が、法案作成への関与やその後の対応について検証を始めた。年内をめどに資料などの調査を終え、見解をまとめる。「優生」に関わった国内の学会のうち、自らの関与を検証する試みは初めて。他の学会にも影響を与えそうだ。(社会面に「科学の名の下に」) 民族衛生学会は30年、東京帝国大教授で生理学者の永井潜氏を中心に創設。世俗的な優生思想を学問的な優生学に高めることを目指し、「遺伝性疾患」を不妊手術の対象とする断種法の制定運動も展開した。議員提案された法案を起草し、障害者らを対象にした不妊手術を推進する国民優生法の成立につながった。
旧優生保護法(1948~96年)のもと、10代の時に不妊手術を強いられたとして国に損害賠償を求めて訴えを起こす意向の東京都内の70代男性が25日、会見で思いを語った。4月にも東京地裁に提訴する予定。同法をめぐっては、宮城県の60代女性が仙台地裁に提訴し、今月28日に第1回口頭弁論が開かれる。 旧優生保護法では、遺伝性疾患や精神障害、知的障害などと診断され、都道府県の審査会で適当とされた場合に本人の同意がなくても不妊手術ができた。被害者は、少なくとも1万6475人に上る。会見した男性には知的、身体的障害はないが、弁護団によると、児童養護施設にいた際に、法律が拡大解釈され、手術されたとみられるという。 「長い間、胸に閉ざし苦しんできた。自分の体、人生を返してほしい」。会見で男性は訴えた。 男性には2カ所の手術痕が残る。仙台市内の児童養護関連施設にいた中学2年の時、職員に連れられた病院で、説明も
自宅前でくつろぐ森崎さん親子。左から千春さん、晴斗ちゃん、悠貴さん、麻紀さん=福井県越前町で、加古信志撮影 親が育てられない子どもを匿名で受け入れる「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」を熊本市の慈恵病院が開設し10日で10年を迎える。預けられた子どもは昨年3月までに125人。子どもの出自を知る権利などを巡り今も賛否に揺れているが、慈恵病院の相談窓口を通じて男の子を迎えた一家は救われる命の重みを感じている。 2013年5月7日深夜、慈恵病院で男の子が産声を上げた。「元気に生まれた」。昼間に新幹線で駆け付けた福井県越前町の森崎千春さん(43)、妻麻紀さん(40)、長男悠貴さん(8)の3人はすぐに病室で赤ちゃんと面会し、夫婦はこれから親となる自分たちの愛情を刷り込むように抱いた。
親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)が、熊本市の慈恵病院に開設されてまもなく10年になる。預けられたのは120人以上。子どもにとって最善の選択なのかという懸念も抱えつつ、望まない妊娠で孤立する母親たちが絶えないという現実を映している。 2007年5月10日に始まった「ゆりかご」は、預けられると看護師がすぐに駆け付け、子どもを保護する。病院は「命を救う最後の手段」と位置づけ、「まずは相談を」と呼びかけてきた。それでも当初から「安易な遺棄が増える」「子が親を知る権利を奪う」などの批判があった。 運用状況を検証する熊本市の専門部会によると、08年度に最多の25人が預けられたが、11年度以降は10人前後で推移した。16年3月末までに預けられた125人のうち、親との接触などで判明した預け入れの理由は「生活困窮」「未婚」が上位を占めた。想定していたのは新生児だ
「不良な子孫の出生を防止する」ことを目的とした旧優生保護法(1948~96年)のもと、遺伝性疾患やハンセン病、精神障害などを理由に行われた不妊手術(優生手術)と中絶について、日本弁護士連合会は22日、被害者への謝罪や補償を求める意見書をまとめ、厚生労働省に提出した。 意見書によると、被害者は強制的な不妊手術による約1万6500人を含め、計8万3963人にのぼる。意見書は、優生思想に基づくこれらの不妊手術と中絶は、被害者の自己決定権や「性と生殖に関する健康・権利」を侵害したと指摘。資料の保全と実態調査も求めた。 厚労省母子保健課は「当時の法律にのっとって適切に行われた手術などに対し、謝罪や補償を行う予定はない」と話した。 この問題では、優生保護法のもとで知らないうちに不妊手術を受けさせられたとして、宮城県の女性(70)が15年6月、日弁連に人権救済を申し立てている。女性を支援してきた市民団体
体外受精でできた受精卵の全染色体を検査し、異常のないものだけを母胎に戻す「着床前スクリーニング(PGS)」の臨床研究開始を日本産科婦人科学会が発表したことを受けて、先天性神経難病の患者らでつくる団体「神経筋疾患ネットワーク」(事務局・さいたま市)は16日、PGSに反対する声明文を日産婦に提出した。 声明は「『生まれてきてもよい生命』と『…
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