無償化除外は「理不尽」=朝鮮学校への差別と指摘-司法で救済を・前川前次官 インタビューに答える前文科事務次官の前川喜平氏=2017年12月26日、東京・銀座 文部科学省で高校の授業料無償化の制度設計に携わった前川喜平・前文科事務次官が時事通信の取材に応じ、朝鮮学校の生徒を対象から外す国の対応を「乱暴で理不尽極まる」と批判し、司法が是正すべきだとの考えを示した。 地裁判断は分かれる=「不合理と言えず」「違法」-朝鮮学校無償化除外 無償化の是非をめぐって卒業生や学校運営法人による訴訟が起こされており、2017年は広島、東京両地裁で原告敗訴、大阪地裁では勝訴の判決が出た。今年4月には名古屋地裁で判決が予定されているほか、福岡地裁小倉支部や東京、大阪、広島の各高裁でも年内に判断が示される可能性があり、再び注目が集まりそうだ。 安倍政権発足後の13年2月、国は朝鮮学校生を制度の対象から除外した。世帯
いらなくなった子ども服を寄付してもらえば、家賃を安くします――。そんな取り組みを9月1日から、大阪市の不動産仲介会社が開始。新居の賃貸契約を結んだ顧客が、NPO法人に子ども服10点以上を送ると、1万2千円を返す仕組みだ。 日建産業(大阪市鶴見区)の取り組みで、海外の貧しい人たちに衣料品を送っているNPO法人「日本救援衣料センター」(同市中央区)が協力する。対象は、9月1日~10月31日の間、同社で入居契約をした人。寄付を受け付けるのは、シミや傷がなく、洗濯済みの春夏物の子ども服だ。下着や靴下は新品のみで、靴や帽子は除く。 宅配便で神戸市内にある同センターの倉庫に送り、送付伝票を日建産業に持参すると、1万2千円を1回だけ受け取れる。倉庫までの送料は自己負担で、倉庫から海外への送料は同社が負担する。寄付された衣料品は、アフリカや東南アジアなどの貧しい子どもたちに向けて送られる。 同社の田中富之
「私達わ恐しい原子兵器の禁止を要求します」。米ニューヨークの国連本部で7日にも成立する核兵器禁止条約の草案と同内容の実現を求め、約70年前に10代の少年らが署名活動を展開していた。その一人で広島県東部で原爆の閃光(せんこう)を見た堀田博之さん(85)=名古屋市西区=は、条約成立で少年時代の願いがかなうことに喜びを感じる。だが同時に「広島・長崎への原爆投下から核兵器廃絶が進まなかった現実が悲しい」との思いも募っている。【山田尚弘】
沖縄は15日、日本復帰から45年を迎えた。亜熱帯の気候や独特の歴史、文化の魅力は国境を越え、観光の成長が著しい。一方、日米の思惑のもと、米軍統治下のひずみや変わらぬ基地の集中が、県民の暮らしを脅かし続ける。光と影、変わるもの、変わらないもの――。沖縄のいまをみつめる。 876万人来県、年収は低いまま 4月下旬、台湾人観光客ら約1600人が乗る5万トン級の大型クルーズ船が、沖縄市の港に横づけされた。那覇市に2009年にできた専用ふ頭が満杯で、16年からこの貨物港も使う。 クルーズ船の沖縄県への寄港は昨年、387回で全国トップ。観光客数は約876万人で、復帰した1972年度の16倍に。外国人客が200万人を突破した。県民総所得に占める観光収入の割合は、軍関係収入の2倍だ。 それでも、雇用環境はバラ色ではない。本島中部のリゾートホテルで働く40代男性は人手不足のため午前8時から午後8時まで働き、
ダイエットして海の向こうの子どもを救いませんか――。大阪市のトレーニングジム運営会社が、落とした体重100グラムにつき栄養強化食1食分の金額を貧困国の子どもらに寄付する取り組みを企画し、参加者を募っている。 仕掛けたのは、会員制トレーニングジムを運営する「RISING SHIFT(ライジングシフト)」(大阪市西区)の長谷川浩久社長(32)。食べ過ぎによる肥満解消の目的でジムに通う人が少なくない一方、紛争や貧困を背景とした餓死者が世界中にいる現実に違和感を持ったのがきっかけ。フィットネス業界でしばしば見かける「痩せた体重分」を換金するキャンペーンをヒントにした。 今回の取り組みでは、効果的なダイエット方法を伝授する無料セミナーを6月4日に開き、その場で体重を測定。1週間後に体重を測り、減少分100グラムにつき栄養強化食1食分の金額(約40円)を同社から国連世界食糧計画(WFP)に寄付する。先
「先生、これは?」 3月16日夜、東京都新宿区の区立教育センターの教室で、タイや中国から来た小中学生10人余が、日本人のボランティアスタッフからそれぞれ英語や算数・数学の個別指導を受けていた。日本語に習熟していないためか、ほとんど会話をしない子もいる。同区とNPO法人「みんなのおうち」の協働事業「こどもクラブ新宿」だ。 クラブの授業は毎週火曜と木曜に、小学生は午後6時前から1時間余、中学生は午後7時から2時間余。中学2年以上は土曜午後5時半からの3時間が加わる。親の経済的な負担が少ない都立高への進学を目標に、現在約25人のスタッフが各国の小学生10人と中学生24人を指導する。日本語能力が比較的問われない英語や数学を中心に、このNPOが2007年に始め、区との協働事業になった。これまで約100人が巣立った。
政府は6日、国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、国家戦略特区法と構造改革特区法の改正案をまとめた。10日に閣議決定して国会提出する。農業分野での外国人労働者の就労解禁や、小規模認可保育所の対象年齢の拡大が柱。特区を活用した規制緩和で、人手不足の解消や働き方改革の実現を図る。 母国の大学で農学部を卒業するなど、一定水準以上の技能があることを条件に、外国人による就農を解禁する。また2020年の東京五輪・パラリンピックを念頭に、在留資格の取得条件を緩和することで、外国人が飲食業や観光業などサービス分野で働きやすい環境を整え…
Published 2016/12/15 20:00 (JST) Updated 2018/12/07 15:55 (JST) 「信耕ミミとアジアの仲間たちによるアニメーション作品展」が14日、横浜市中区の象の鼻テラスで始まった。来年5月の第50回アジア開発銀行(ADB)年次総会横浜開催連携事業の一つで、アジアへの理解を深めるのが狙い。NPO法人スローレーベルとアニメーション作家の信耕さんが、今夏タイで実施した知的障害者のトレーニングプログラムの成果を展示している。 プログラムには、タイ、カンボジア、ミャンマー、ラオスの4カ国から計12人の知的障害者と保護者が参加。4日間にわたるアニメ制作を通じ、自己表現の仕方などを学んだ。 完成した約4分間のアニメには参加者が描いた「自分」が登場。メコン川を旅するワニが、それぞれの国の参加者たちと出会うストーリーになっている。 「参加者の自由な発想に驚か
東京都と2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は18日、ボランティアの募集方法や研修などの基本的な考え方をとりまとめた「ボランティア戦略(案)」を発表した。募集するのは主に競技会場内で運営をサポートする「大会ボランティア」と、ターミナル駅や観
「フィリピンで暮らす視覚障がい者の学習環境を改善したい」。この思いから、クラウドファンディング(不特定多数の人から資金を集めること)プロジェクトを立ち上げたNPO職員がいる。認定NPO 法人フリー・ザ・チルドレンの石田由香理さん(27)だ。石田さんは1歳3カ月のときに網膜芽細胞腫(眼球の中に発生する悪性腫瘍)で両眼を摘出し、全盲になった。 ■全盲になったら家族に捨てられた フィリピンの小学校入学率は96%だが、視覚障がい者に限ると95%は学校に通った経験すらないという。高校まで進む人は1%以下だ。「それどころか、地方になると、視覚障がい者の40%近くが障がいをもっていると分かった時点で家族から捨てられ、教会で育っている。障がい者は何もできないから教育を受けても仕方がない、とフィリピンでは思われている」と石田さんは話す。 石田さんは国際基督教大学(ICU)の学生だった2010年3月、フリー・
「イスラム国」による迫害から逃れ、国内避難民となった少数宗教ヤジド教徒の子どもたち=イラク北部クルド自治区ドホークで、安田菜津紀さん撮影 仮想現実(VR)の動画で途上国の暮らしを体感してほしい。そんなプロジェクトに、若手作家や写真家らの有志グループが乗り出した。グループは「日本の子どもたちが世界の問題と向き合うきっかけになれば」と教育での活用を目指している。 (伊藤弘喜) グループは「セカイ・メディアラボ」。東南アジアやアフリカ、中東などで貧困や紛争を取材してきた作家の石井光太(こうた)さん(39)とフォトジャーナリストの安田菜津紀(なつき)さん(29)=どちらも東京都内在住=が中心。編集者らを加えた計五人で三月に本格始動した。
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