パソコンやスマートフォンの普及で、子どもたちがふとした拍子に過激な性的表現に触れてしまうことがある。一方で、学校での性教育には「寝た子を起こすな」という考えも根強い。保護者や身近な大人が、子どもに正しく性の知識を伝えるにはどうしたらいいのか。 「どうしたら妊娠するか、学校では教えてくれない。親たちが逃げずに伝えて」。神奈川県相模原市の助産師、在川(ざいかわ)有美子さん(39)は5月半ば、親向けの性教育講座で約15人の参加者に、こう呼びかけた。10代で出産するリスクなどを解説し、「妊娠を『だめ』と言うのではなく、何でだめなのか一緒に考えてあげてほしい」と話した。 在川さんは約3年前から、市内の小中高校で命や性に関する授業をしている。だが、学校側から「性交渉」「コンドーム」などの言葉を使わないよう求められることがあり、性のことを理解してもらうには、幼いころから「土台」をつくっておくことが必要だ
3月16日に開催された東京都議会文教委員会で、自民党の古賀俊昭都議が、足立区の中学校で行われた性教育の授業を批判したという朝日新聞の記事が目にとまりました。古賀都議は、性教育の領域では知られた人物です。2003年、都立七生養護学校(当時)での性教育の授業が行き過ぎていると指摘したことがきっかけとなって、全国に“性教育バッシング”が吹き荒れることになりました。その後、「教育に対する不当な支配だ」と主張した原告側(校長・教員ら)に提訴され、古賀都議らの敗訴が確定しました。 記事によれば、古賀都議は「中学生の段階で性交や避妊を取り上げるべきでない」と指摘。これを受けて性交、避妊、人工妊娠中絶を教えることは、中学保健体育の学習指導要領に準じていないとして、都教委が「不適切な性教育を行わないよう」にと区教委を指導したというのですからあきれます。
性のあり方は、男・女の二つだけではなく、人の数だけあります――。文部科学省の教科書検定に合格した中学校道徳の教科書では、8社中4社がLGBTなど性的少数者について取り上げた。性的少数者に関する記述は、これまで高校の家庭科や世界史の一部の教科書に載ったことはあるが、道徳の教科書では小学校も含めて初めてだ。 学校図書は2年の教科書で、性のあり方には「からだの性」「こころの性」「好きになる性」の三つの要素がある、と紹介。体と心の性が一致し、異性を好きになる大多数の人と、そうではない人がいるとしたうえで、性的少数者は人口の約5~8%いると言われている、と記した。そのうえで、「偏見を認めてしまう雰囲気があったとしても、周囲に流されることなく、その偏見を解消していこうとする心の強さをもつことが大切です」。 同社の担当者は、性的少数者を取り上げた狙いについて、「多様性を考える上で、大事なことの一つが性。
エール8期生の(左から)伊達智子さん、森田菜帆さん、大谷沙也加さん、西本ひかるさん、原本実佳さん=岡山市北区で2018年3月10日午後9時27分、林田奈々撮影 当事者と同じ目線に立って支援する「ピアサポーター」として、インターネット掲示板で性に関する悩み相談を8年にわたって受け付けている大学生グループがある。養護教諭を目指す岡山大4年生でつくる「ELL」(エール)。産婦人科医の指導を受けながら、時に悩みながらも相談に真剣に向き合っている。【林田奈々】 「性感染症の検査をしたいけど親にばれるのが心配」「性器の形がおかしいのでは」「周りは彼氏ができているのに私だけできない」「生理が遅れて不安です」-。エールが運営する掲示板には口にしづらい悩みを抱えた人たちが相談を寄せる。メンバーは順番に回答を担当し、返信する。 エールの活動が始まったのは2010年。きっかけは、岡山市内で産婦人科のクリニックを
全区立中、制服選択自由に=性の多様性尊重で検討-東京都世田谷区 東京都世田谷区教育委員会は19日の区議会予算特別委員会で、全ての区立中学校に通う生徒が、性別にかかわらずズボンやスカートなどの標準服(制服)を選択できるような環境整備に向け、検討を始める方針を示した。性的少数者(LGBT)らに配慮した取り組みで、自身が性同一性障害であることを公表した上川あや区議への答弁で明らかにした。 区教委は「多様性を尊重し、どの学校でもそれぞれの生徒が選択できるような環境整備について、校長会と連携して検討に努める」と表明。まずは2019年度の新入学生に対する標準服の説明資料から、男女別の表記をなくす方向で検討を進めたい考えだ。(2018/03/19-21:12) 【社会記事一覧へ】 【アクセスランキング】
性的少数者の生徒の5割が周囲の偏見を感じており、3割は自分を傷つけた経験がある――。三重県男女共同参画センターの高校生1万人調査で、そんな実態が分かった。公的機関による大規模な調査は異例。 同センターと日高庸晴・宝塚大教授が昨年10~12月、三重県立の高校生約1万人を対象に共同で実施した。同性愛者、両性愛者、トランスジェンダーのいわゆるLGBTは計281人で、全体の3%。自分は男・女のいずれかではないと感じているXジェンダー(508人)、性的指向や性自認を定めていないクエスチョニング(214人)も含めた性的少数者層は1003人と全体の10%に上り、学校現場での対応の必要性が裏づけられた。 「周りの人の多くは性的少数者に偏見を持っていると思う」と回答したのは、性的少数者層の当事者の48%に上った。当事者のうち「学校には安心できる場所がある」は37%、「幸せだ」は42%、「いざという時に力にな
勤務する愛知県知立市の小学校で児童にわいせつな行為をしたとして、5件の強制わいせつ罪に問われている元臨時講師大田智広(としひろ)被告(30)の公判が23日、名古屋地裁岡崎支部であった。2013年に埼玉県教育委員会から停職6カ月の懲戒処分を受けて退職後、地元に戻って改名した理由について「就職するためだった」と供述した。 大田被告は小学校教諭だった13年に児童買春・児童ポルノ禁止法違反罪で罰金の略式命令を受け、県教委から処分された。地元で就職先を探したものの「ネットなどに名前が出て、どこを受けてもダメだったりクビになったりした」と説明した。改名後に臨時講師になった際には「わいせつな気持ちはなかった」と強調した。 一方、公判では五つの事件のうち、服を脱ぐように児童に指示して体を触ったとされる2番目の事件について、保護者からの指摘を受けて学校や市教委が被害の一部を把握していたことも明らかになった。
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4月に新たに開校する千葉県柏市立柏の葉中学校が、性別を問わない「ジェンダーレス」対応の制服を導入する。 体の性と心の性が一致しない性同一性障害など性的少数者の生徒らが、制服の違和感に苦しまないようにとスラックスやスカートなどを選択できるようにした。 つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅近くに開校する柏の葉中には、新学期から88人(1年64人、2年17人、3年7人)の生徒が通う予定だ。公立中学の制服は、男子が詰め襟学生服、女子はセーラー服というところが多いが、同中学は男女ともブレザーにスラックスかスカート、ネクタイかリボンだ。 濃紺の三つボタンブレザーは、女子用が男子用に比べ、脇部分をやや細めにしてある。スカートとスラックスはグレーにチェック柄。スラックスは尻回りをややゆったりめにした女子用があり、ネクタイも女子用は少し細めだ。いずれも男女用があるものの、性別に関係なく着たい服を自由に選ぶこ
教え子に対するわいせつ行為で処分された教職員は増加している。文部科学省によると、2016年度に懲戒や訓告などの処分を受けた全国の公立学校の教職員は、統計を取り始めた1977年度以降で最多の226人。うち半数近くは勤務先の子どもが被害を受けていた。5年前(11年度)と比べると、処分者は1・3倍(56人増)に増えた。 16年度の処分事案のうち、35%(80人)は教室や保健室、体育館などの校内での行為だった。前年度の23%から大幅に増えた。 子どもへの性暴力に詳しい大妻女子大人間生活文化研究所の徳永恭子研究員によると、校内の死角で被害に遭うケースが多い。徳永さんは「とくに小学生は被害をどう伝えていいかわからず、黙っているケースも少なくない」と指摘する。 京都府内では16年度の処分…
京都地裁(御山真理子裁判官)は25日、勤務する小学校の7人の女児にわいせつ行為をしたとして起訴された元講師の男(28)に対し、懲役9年(求刑・同10年)を言い渡した。子供にとって安心できるはずの学校で、「魂の殺人」とも言われる性暴力はなぜ繰り返されたのか。事件発覚後、京都府教委は、所管する全校で研修を実施するなど再発防止に取り組むが、実効性の高い対策は見いだせていないのが実情だ。【飼手勇介】 判決によると、被告は小学校の屋上やトイレなどで、女児7人の服を脱がせて動画撮影をしたり、下半身を触ったりした。判決は女児に口止めしたり、嫌がられると別の女児を狙ったりと約2年2カ月で9件もの犯行を重ねたことを挙げ、「刑事責任は重い」と厳しく非難した。
教職員の研修でLGBTへの理解を訴える井上鈴佳さん(左端)=奈良県橿原市で2017年8月24日、望月亮一撮影 関西の学校回り、自身の体験を包み隠さず語り、理解訴える 性的少数者(LGBTなど)の子供たちを救いたい--。元養護教員で自身がレズビアンと公表している井上鈴佳さん(27)=大阪府大東市=が、教育現場で児童生徒や教師にLGBTへの理解を訴え続けている。関西などの学校を回り、「教育現場を知っている当事者の私だからこそ、伝えられることがある」と自身の体験を包み隠さず語っている。 奈良県橿原市立耳成(みみなし)西小学校で今月24日、教職員約30人を対象に開いた研修会。井上さんは「性的少数者は国内で左利きの人と同じ割合」というデータを紹介し、LGBTを取り巻く現状を解説した。「いないのではなく、見えていないだけなのです」
教え子の小学生への強制わいせつ容疑で、愛知県警に逮捕された臨時講師の男の公判が名古屋地裁岡崎支部で進んでいる。男は4年前にも別の小学校で性犯罪を起こし、停職処分を受けていた。男が名前を変えたこともあり、情報が共有されなかったという。 男は大田智広被告(30)=愛知県刈谷市。勤務していた同県知立市の市立小学校のトイレで5月、低学年の女子児童にわいせつ行為をした疑いで逮捕、起訴された。その後、別の児童計4人へのわいせつ容疑でも再逮捕されている。8月には懲戒免職処分を受けた。 8月の初公判では起訴内容について、「間違いありません」と認めた。検察側は、証拠調べの中で大田被告が「年少者に性的関心があった」と話したことを明らかにした。 大田被告は、知立の事件の前にも児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ提供)の罪で罰金の略式命令を受けていた。埼玉県内の小学校に勤めていた2013年、児童ポルノ画像を
心の交流、一歩ずつ 「保健室の先生」といえば女性だが、実は男性の養護教諭もいる。ただし国の昨年度の調査で全国の養護教諭・助教諭約4万人のうち、わずか65人。戦前の「学校看護婦」の流れをくみ、長く女性の仕事とされてきた。近年、子供の性の多様性が重視され、養護の現場でも性別は無関係だとの声が上がる。百聞は一見にしかず。保健室に男の先生を訪ねた。【細川貴代】
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