所得が低い世帯の子どもは、高所得世帯に比べて体重が少ないまま成長する「体重増加不良」の比率が1・3倍だったことが、北里大の可知悠子講師(公衆衛生)らの調査でわかった。貧しさや、育児に手が回りにくくなるという指摘もあり、十分な食事を与えられていないことが背景にあるとみられる。 厚生労働省のデータから2001年と10年生まれの健康な子ども計約5万5千人を対象に調べた。まず、出生体重から1歳半時点の望ましい体重を算出し、続いて、実際の健診時の体重との差を求めた。発育や認知能力に悪影響が出る恐れのある、体重の増加率が下位5%の子どもを「体重増加不良」として、世帯の所得との関係を調べた。 01年生まれでは、所得が下位から4分の1(所得平均279万円)の世帯の子どもは、所得上位4分の1(同924万円)の世帯より1・3倍、体重増加不良だった。10年生まれでもほぼ同じ傾向がみられた。 手当や栄養指導が日本
愛知県調理師会(名古屋市)は6月から、子どもたちに食事や居場所を提供する「子ども食堂」の運営に乗り出す。子ども食堂の運営主体は、ボランティア中心からNPOや社会福祉法人などに幅が広がっているが、同会などによると「食のプロ」の集団である調理師会の参入は全国でも例がない。培った技と知識を生かして食文化や料理の楽しさも伝えていく考えだ。 計画では、調理師会員の「ニチエイ調理専門学校」(同市中区)内にあるレストランフロアを再現した実習室で月一回、土曜日に地元の小学生-高校生ら四十人ほどを招いて夕食を振る舞う。参加対象を貧困家庭の子どもに限定せず、両親が共働きで一人で食事をする子どもにも広げる方針。 会には県内の調理師七百人が所属し、和、洋、中の有名料理人がコース料理を提供。テーブルマナー講座も同時開催する。礒村義安会長(77)は「おいしく、楽しく食事をしてもらいながら、食の文化的な価値を感じてほし
子どもの食物アレルギーや介護食、ベジタリアン……。さまざまな理由から、「外食」が旅行やお出かけのハードルになっている人たちがいる。一部に切実なニーズがある食の要望に応えてくれる飲食店情報を共有しようという検索サイトができた。運営するNPOは「関係団体や飲食店側に情報提供を呼びかけ、サイトを充実させていきたい」と話している。 サイトの名前は「レアめし」(http://www.raremeshi.com/)。希少な外食情報という意味を込めた。NPO法人「Check」(東京都)が5月にオープンした。 Checkは、高齢者や障害者、子育て家族らの外出を後押しするため、多機能トイレの場所を検索できるウェブサイト「Check A Toilet」(http://www.checkatoilet.com/)を10年ほど前から運営してきた。企業や大学のボランティアと連携した「トイレチェック」活動を続け、登録
ダイエットして海の向こうの子どもを救いませんか――。大阪市のトレーニングジム運営会社が、落とした体重100グラムにつき栄養強化食1食分の金額を貧困国の子どもらに寄付する取り組みを企画し、参加者を募っている。 仕掛けたのは、会員制トレーニングジムを運営する「RISING SHIFT(ライジングシフト)」(大阪市西区)の長谷川浩久社長(32)。食べ過ぎによる肥満解消の目的でジムに通う人が少なくない一方、紛争や貧困を背景とした餓死者が世界中にいる現実に違和感を持ったのがきっかけ。フィットネス業界でしばしば見かける「痩せた体重分」を換金するキャンペーンをヒントにした。 今回の取り組みでは、効果的なダイエット方法を伝授する無料セミナーを6月4日に開き、その場で体重を測定。1週間後に体重を測り、減少分100グラムにつき栄養強化食1食分の金額(約40円)を同社から国連世界食糧計画(WFP)に寄付する。先
主食、おかず、牛乳を提供する「完全給食」を公立中学校で実施している割合について、全国主要74市区に朝日新聞が尋ねたところ、都市間で大きな差があり、50%未満が5市あった。給食がない場合、生活保護や困窮家庭向けの就学援助に給食費が含まれず、昼食代が家計の負担になっている。 政令指定市、道府県庁所在市と東京23区に今年1月、総生徒数のうち完全給食の対象になっている生徒の割合を示す実施率を聞いた。札幌、仙台、大阪や東京23区の計59市区が100%と回答。50%未満は横浜(0%)、大津(6・6%)、川崎(9・3%)、高知(16・1%)、神戸(37・5%)だった。 実施していなかった理由は、財政的余裕がない、弁当が定着している、など。だが、子どもの貧困の広がりなどを背景に、保護者らの要望に応えて給食を始め、数年内に100%を目指す市もある。神戸は2月に100%に達している。 また12市は、持参の弁当
文部科学省がまとめた2016(平成28)年度の「学校保健統計調査」(速報)で、視力が「1.0未満」の子どもの割合が、小学校から高校を通じて過去最高となったことがわかりました。視力低下の背景には、子どもの間でスマートフォン(スマホ)が普及したことにより、小さな画面を長時間にわたり見続けるような生活習慣が広がったことが考えられそうです。一方、むし歯のある子どもの割合は、中学校と高校で過去最低となりました。食生活に対する保護者の意識の高まりがうかがえます。 スマホの普及なども影響か 調査は2016(平成28)年4~6月に、国公私立の幼稚園から高校までの子ども全体の25.3%に当たる約344万人を対象に実施しました。 裸眼視力が「1.0未満」の子どもは、幼稚園が27.94%(前年度比1.12ポイント増)、小学校が31.46%(同0.49ポイント増)、中学校が54.63%(同0.58ポイント増)、高
和歌山県御坊市で27日、公立の幼稚園4園と、小・中学校計11校(1中学校は組合立で日高川町)の児童と生徒、教職員ら計719人が、下痢や嘔吐(おうと)、発熱などの食中毒のような症状を訴え、すべてで臨時休園・休校した。市立給食センターによると、職員5人が同様の症状を訴えているという。県は給食が原因の集団食中毒とみて、保健所の職員が同日、センターに立ち入り検査に入った。 市教委などによると、同日午前7時すぎから子どもらの体調不良の連絡が学校などに相次いだ。重症者はいないが、市内の医療機関などに受診者が殺到。感染拡大を防ぐため、各園・校舎や図書館などの公共施設の消毒作業に追われた。 市教委は同日夜、記者会見を開き、奥幹夫教育長が「ご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝した。幼稚園で給食が出されるのは月、水、金曜で、24、26日には食べていなかったという。15園・校には教職員も含め計2267人が在籍。
厚生労働省は、生活保護を受給している家庭の子どもの健康支援に乗り出す。一般の家庭の子どもより肥満の割合が高いという調査結果もあり、生活習慣が不適切で栄養が偏っているとみられるためだ。 東京都足立区が2015年に実施した調査は、全区立小学校の1年生を対象に実施。生活保護世帯を含む世帯年収300万円未満などの「生活困難世帯」1047人を分析した。 それによると、16・2%が肥満で、一般世帯より3・9ポイント高い。「砂糖入りジュースを毎日2回以上飲む」児童は11・7%と5・4ポイント高い一方、「朝食を毎日食べる」は88・6%と7・9ポイント低かった。虫歯が5本以上の児童は19・7%で、9・6ポイント高かった。 厚労省は調査結果を重視し、「適切な生活習慣が確立されていない可能性が高く、大人になってからも生活習慣病のリスクが高い」と分析。全国の子どもの健康診断結果を各地の福祉事務所が取り寄せ、健康支
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