大人の世界には、残念ながらこの「見えない壁」がそこかしこに存在し、無理解や偏見が溢れてしまっているのかも知れません。
相模原殺傷事件が起きてから1年が経った。犠牲者を追悼するため、メディアは「弱者に思いやりを」「弱者を差別しない社会をつくろう」と呼びかける。しかし、障がい者の置かれている状況が変わる兆しは見えてこないばかりか、むしろ悪くなっている。共同通信が全国の知的障害者の家族を対象に実施したアンケートでは、事件後、障害者を取り巻く環境が悪化したと答えた人が7割だった。 私は長年アメリカに住んでいるが、アメリカ人と日本人では障がいに関する考え方が大きく違う。そもそも英語では障がい者(disabled people)とは言わない。障がいを持つ人、障がいと共に生きる人(people with disabilities)という言い方をする。子どもの場合は、障がい児(disabled children)とは言わず、特別なニーズのある子ども(children with special needs)と呼ぶのが一般的
「障害のある人も参加させてあげよう」ではなく、「障害のある人は本来そもそもそこにいて当たり前」の前提がもっと広がっていってくれたらなと思います。
第二次まとめ案について議論した文科省の「障害のある学生の修学支援に関する検討会」の第7回会合が10月31日、都内で開催された。 事務局から提示された第二次まとめ案は、合理的配慮の内容決定の手順や、第三者組織の在り方が明確にされたほか、障害学生の現状や支援の実施状況、課題などが加わった。 同案では、合理的配慮は障害学生からの申し出後、障害学生と大学などが建設的な対話を行って決定する。申し出の際は、学生の障害状況に関し、根拠となる資料の提出が必要となる。根拠となる資料としては、▽障害者手帳の種別・等級・区分認定▽適切な医学的診断基準に基づいた診断書▽神経心理学的検査の結果▽学内外の専門家の所見▽高校などの大学入学前の支援状況に関する資料――などを挙げた。資料提出が困難な場合は、大学などが、障害学生が根拠資料を取得するための支援を行ったり、建設的対話などを通じて合理的配慮の提供を検討したりするの
気管にあけた穴からの痰(たん)吸引や、おなかの穴から胃に栄養を送る「胃ろう」など、日常生活で医療的ケアの必要な子どもたちがいる。地域の学校で学びたいと願うものの、看護師の配置などについては自治体や学校によって対応もまちまちだ。胃ろうが必要な兵庫県西宮市の小学1年かんなさん(6)が、市立小学校に入学するまでを追った。(鈴木久仁子) かんなさんは「CFC症候群」という先天性の難病で、発達はゆっくり。口から食事を取りにくいため、胃に直接、栄養を送る。 西宮市立の小学校ではこうした医療的ケアを保護者以外が行う場合、医師や看護師の配置が必要になる。そこで入学の2年前から、母親の知美さんは市教育委員会に相談し、小学校の通常学級進学を希望し続けた。 しかし、市内では前例がなく、市教委は「安全面と教育面を考慮した」と、特別支援学校もしくは小学校の特別支援学級を提案。知美さんは「ほかの子どもたちと理解を深め
障害を理由にした差別を禁じる「障害者差別解消法」が施行された今春、障害を持つ男子学生が、国立大学に進学した。大学の支援を受け、医療工学の研究を志して学んでいるが、受験時に別の大学から入学に難色を示される経験をした。大学の判断はなぜ分かれたのか。 ■脳性まひで足に障害 東北地方の国立大キャンパス。1年生の男子学生(19)は両手の杖で体を支え、下半身を振り出すように歩き、講義へ向かっていた。生まれた時の脳性まひにより体幹機能の障害がある。足が不自由で、支えなしで立つことが難しい。 4月、生まれ育った和歌山県を離れ、大学の寮で一人暮らしを始めた。 「いろんな刺激を受けて成長してほしい」という両親の思いで、幼い頃から水泳や将棋に挑戦した。小学4年生の時、脳性まひで成長が遅れた両足の腱(けん)の手術のため3カ月入院。「なんでこんな足で生まれたんや」。母親に大声を出したこともあった。 小6のころ、「自
モリサワは20日、グループ企業のタイプバンクが開発して販売する、ICT教育の現場に効果的なユニバーサルデザイン書体「UDデジタル教科書体」を発表した。 「UDデジタル教科書体」は学習指導要領に準拠し、書き方の方向や点・ハライの形状を保ちながらも、太さの強弱を抑え、ロービジョン(弱視)、ディスレクシア(読み書き障害)に配慮したデザイン。また、今年度から施行された障害者差別解消法の理念に基づき設計されている。 発表会で登壇したタイプバンクの高田裕美氏は、開発の背景とデザインコンセプトについて、「弱視の子どもたちにとって“明朝体”や“教科書体”は太さに変化があって見づらい。見やすいのは“ゴシック体”だが、もともと印刷用のフォントのため正確でないところがある。“UDデジタル教科書体”は、教育現場に相応しい教科書体の良さを活かし、線の太さを一定にて、電子黒板などでの利用時に遠くからでも見やすいデザイ
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