難病で難聴になった人が手話を学びながら交流する「なんでの会」。主宰する鈴木泰子さん(中央)は「難病、難聴の人が安らげる場所を目指したい」=東京都渋谷区で、蒔田備憲撮影 「難病」と「難聴」という困難を二重に抱えた人たちが気軽に参加できる交流会が東京都内で開かれ、好評を博している。元看護師の鈴木泰子さん(58)が主宰し、手話の学習や対話を通じて「思いを気兼ねなくはき出せるような安らげる場所」を目指す。難病、難聴を対象にした会合は全国的にも珍しいという。【蒔田備憲】 会の名称は「なんでの会」。「難病」「難聴」の「難」と、「なぜ難聴、難病に」という言葉を掛けた。 鈴木さんは東京都難病相談・支援センターの相談員として働く傍ら、手話を習得。2010年から手話交流会も開催してきた。そこで難病を抱えながら難聴にもなった人と出会い、「なんでの会」の発足を思い立ったという。昨年9月から都内の公共施設を使って月
災害時に課題 聴覚障害者らでつくる四国ろうあ連盟(事務局・香川県観音寺市)などが、四国4県の手話の「方言」をイラストで紹介した冊子を発行した。全国各地でそれぞれ発展した手話は意味や表現が異なることがあり、災害など緊急時のコミュニケーションで課題となっている。同連盟は地域の手話を継承するとともに、南海トラフ巨大地震などに備えて手話通訳の混乱を防ぎたい考えだ。【山口桂子】 全日本ろうあ連盟によると、聴覚障害者は全国に約35万人おり、うち約7万人が手話を使う。同じ言葉でも地域によって表現の仕方が異なることがあり、全国共通の「標準手話」の指定が1969年から日本手話研究所(京都市)によって進められている。だが、周知の機会が少なかったり、時代とともに新たな表現が必要になったりするため、身近な生活環境にある手話を先に習得するケースも多いという。
御嶽山噴火から2年。山頂付近の御嶽神社と山荘は火山灰に覆われていた=2016年9月27日午前11時31分、本社ヘリから長谷川直亮撮影 58人が死亡、5人が行方不明となった御嶽(おんたけ)山(長野・岐阜県境、3067メートル)噴火は27日、発生から2年を迎えた。ふもとの長野県木曽町立三岳小学校では、正午前から遺族や住民ら約300人が参列して犠牲者追悼式が営まれ、噴火時刻の午前11時52分に黙とうをした。 遺族を代表して、夫の野口泉水(いずみ)さん(当時59歳)を亡くした弘美さん(58)=長野県池田町=が「仲のいいおじいちゃん、おばあちゃんになるという未来がなくなってしまいました」と述べた。 一方、弟夫妻を亡くした東京都小平市の猪岡孝一さん(54)は、入山規制エリア手前の9合目まで慰霊の登山をした。
山形の聴覚障害者支援団体「HAPUNE」 熊本地震で被災した聴覚障害者に役立ててもらおうと、山形県の聴覚障害者支援団体「HAPUNE」(ハプネ)の佐藤万美(まみ)代表(39)が被災者向けの支援物資などの情報を手話と文章で伝える動画サイトを開設した。自身も聴覚障害がある代表の佐藤さんは「必要な情報が入らずに苦しんでいる聴覚障害者への理解を深めてほしい」と呼び掛ける。 佐藤さんは2011年3月に東京で東日本大震災を経験した時、テレビ映像に字幕の被害情報が流れないことに気付いた。宮城県で被災した聴覚障害がある友人からも「自治体の配給情報は音声で伝えるだけで、よく分からない。とても不安だ」と連絡があり、インターネット上で被災地の情報を集めては友人に伝えた。
難聴者の現状について話す「全難聴」の新谷友良理事長=東京都新宿区で、2016年1月21日、平林由梨撮影 難聴者は外見上の特徴がないため、その障害をなかなか気づいてもらえません。日常生活に支障があっても声を上げづらく悩むことも多いといいます。「全日本難聴者・中途失聴者団体連合会」(全難聴)の新谷友良理事長(67)に、難聴者が社会参加を続けるために当事者や周囲ができることを尋ねました。従来よりも障害への配慮を要求しやすくなる障害者差別解消法が4月に施行されることに期待を寄せます。
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