石川県加賀市で、障害者の視点から最新テクノロジーを活用したサービスを開発する官民連携の取り組みが動き出す。障害を持つ人たちの様々な情報を一元化して、課題や要望を把握。それに対応した技術開発を促し、実際にサービスを提供する機会を設けて実用化を後押しする。障害者やその家族の暮らしの安全性や質を高める一方、関連企業の集積など地域活性化にもつなげる。今回の取り組みは、スマートインクルージョンという発想
名古屋市は9日、木造復元を進める名古屋城の新天守閣にエレベーターを設置しない方針を正式に表明した。河村たかし市長の主張する「史実に忠実な復元」に市民からは賛同する声がある一方、障害者団体は反発を強めている。バリアフリー対策について市は「最善の努力をする」としたが、具体像は不透明なままで、今後の議論はなお曲折が見込まれる。■名古屋市「エレベーターなし」基本方針に同日開いた名古屋城の天守閣整備を議
山梨市正徳寺のJR中央線の踏切内で3日夜、近くに住む最賀(さいが)まさえさん(85)が新宿発松本行きの特急あずさ27号(9両編成)にはねられて死亡した事故で、踏切に設置されていた障害物検知装置が事故当時、反応しなかったことが判明した。 踏切は幅約2メートル、長さ約10メートル。最賀さんは「シニアカー」と呼ばれる高…
車椅子の障がい者や高齢者でも乗り降りしやすい低床バス(ノンステップやワンステップ)の普及が大分県内は全国と比べて遅れ、導入率の全国順位は40位台で低迷を続けている。世界的な「大分国際車いすマラソン大会」が毎年開催される土地柄だが、生活密着の公共交通ではバリアフリーの先進地と言い難い状況だ。県はバス会社への補助制度をアピールするが、「抜本的改革は簡単ではない」とも。今秋は全国障害者芸術・文化祭がある。関係者からは「今変わらなければ、いつ変わる」との声も上がる。【池内敬芳】 国土交通省は、ドア付近に段差がないノンステップや1段のワンステップをバリアフリーの基準に適合した低床バスとして普及を計画。特にノンステップの導入率を2020年度までに70%にするとの目標を掲げ、都道府県別の導入状況を毎年調べて公表している。17年3月末調査によると、全国平均はノンステップが53.3%、ワンステップも含む適合
ニューヨーク市タクシー・アンド・リムジン協会(TLC)は1月24日から、これまでマンハッタン区に限定していた、車いす利用者に対応できるバリアフリータクシーの配車予約サービス「アクセッシブル・ディスパッチ・プログラム」を残り4区に拡大した。 同サービスを利用したい場合は、電話646-599-9999、携帯アプリ(iTunes、Google Play)、ウェブサイト(www.accessibledispatch.com)経由でタクシーを予約。配車センターは乗車可能な至近地点、車両番号を通知、乗り降りは運転手が補佐する。 同プログラムは2013年、バリアフリータクシー233台でスタート。現在は約2400台(うち200以上が電気自動車)が稼働している。
重度障害者もプレーすることができる車いすツインバスケットボールの体験イベントが27日、高松市総合体育館で開かれた。B2リーグ・香川ファイブアローズの公式戦前に行われた。県が県内のプロスポーツチームと協力しあう「じんけん啓発DAY」の一環で、応募した家族連れら約10人が参加した。 車いすツインバスケは、正規のゴール(高さ3・05メートル)に加え、低いゴール(1・2メートル)をコート内に設置。障害の程度によってゴールが分けられており、上半身にも障害があって正規のゴールにボールが届かなくてもプレーできる。 この日は、1992年から活動するツインバスケチーム「香川ビースト」の中田賢二代表(56)らが指導。参加者は車いすの止まり方、回り方、ボールの拾い方などを教えてもらいながら、ドリブルやパスを練習し、最後は参加者同士が試合形式で対戦した。 高松市の大学3年矢野紋音さん(21)は「面白かったけど、落
難病についての知識やボランティア活動への理解を深めてもらおうと、和歌山市毛見の県子ども・女性・障害者相談センターで13日、「難病ボランティア講座」が開かれた。市民ら約20人が講演に耳を傾けたほか、車椅子などを使った移動や介助を体験した。 県難病・子ども保健相談支援センターが主催。海南市の海南医療センターの理学療法士、阪口和男さん(56)が講師を務め、「ボランティア活動に役立つ車椅子と杖(つえ)の知識&介助・実技体験」をテーマに講演した。阪口さんは、難病によって歩くことができなくなるケースなどを紹介し、「患者の目線に立って考えることが重要」と指摘。「自宅や社会の環境が少し変わるだけで、難病の患者が暮らしやすい世の中になる」と強調した。 その後は参加者が車椅子や松葉づえを使い、段差の上り下りなどを体験。障害者支援のボランティアに取り組んでいるという和歌山市の薮中節子さん(68)は「松葉づえでは
2017年9月9日 下諏訪町東山田にある県花田養護学校高等部生徒が、「障害のある人や高齢者が、地域で不自由なく暮らせるような、便利な福祉機器を開発したい」と諏訪東京理科大学(茅野市豊平)進学を目指している。生徒には筋疾患による障害があり、大学に通学するためには複数の介助が必要になる。夢をかなえるために、自らボランティアの募集を始めた。 進学を目指しているのは、高等部3年生の田中洵さん(17)=塩尻市出身=。筋力が低下する病気を持つ田中さんは、電動車椅子で生活しており、中学2年生の時に花田養護学校へ転校してきた。福祉機器を扱う人に紹介されたという電動車椅子サッカーが好きで、週末に同校や下諏訪体育館で楽しんでいる。 田中さんには二つの夢がある。障害のある人が必要な介助を求めながら、地域で主体的に暮らしていくための福祉機器を作ることと、障害のあるなしにかかわらず、働ける場を創出すること。自分が思
17歳の社長が障がい者向け装置を考案―。フレップテック(高松市)は、電動車いすの後方が簡単に確認できる装置「Shippo」を開発した。車いす後部に自動車用バックカメラや加速度センサーを内蔵した本体を装着し、手元にセットしたモニターで後方路面が確認できる。従来はミラーによる後方確認が多く、薄暗い場所では後方が見えにくかった。 今後、全国頸髄(けいずい)損傷者連絡会との実証試験で、改善を進めていく。香川県よろず支援拠点の支援で製造委託が可能な企業も探し、12月までに商品化を目指す。装置の価格は約2万円を想定している。 楠田亘社長は香川高等専門学校の学生で、自身も発達障がいを抱えている。小学生時代に熱中したサッカー競技用ロボットで培った3DCADやプログラミングなどの技術を生かし、「障がい者の役に立てる製品開発」を目指した。開発に先立ち、5月に起業した。 楠田社長は「将来はこんぴらさん(金刀比羅
奈良市議会は、本会議場や委員会室をバリアフリー化する改修工事を行った。任期満了に伴い行われた先月の市議選で、身体に障害があるため車いすを使用している林政行氏(35)が初当選したのに伴う対応で、市議会事務局によると議場のバリアフリー化が行われたのは同市では初めてという。 林氏は天理高校ラグビー部員だった高校3年のとき、練習試合中に頸椎を損傷。首から下が自由に動かせない四肢まひとなり、電動車いすを使用している。7月9日に投開票された市議選に無所属で立候補し、4194票を獲得、5位で初当選した。 当選後、林氏が議会棟を見学した際、電動車いすで本会議場を移動するのは難しく、答弁に支障があることなどが判明。他の地方議会での対応状況なども参考に、本会議場の床の段差を解消。4人掛けの固定長机となっている議員席を一部取り外し、移動可能なキャスター付きの机に変更、委員会室の扉3カ所を引き戸にした。 議員は本
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